第40話

ただいまとおかえり
38
2026/06/11 12:01 更新


この日、カンナはサネと一緒に猫キャリーバッグに入って車に揺られていた。


不死川玄弥
よーし!カンナちゃん、サネ!着いたぞぉ!
今日からここがみんなの家だ!


ゲンヤが猫キャリーバッグを持ってキメツ町のすみの家に入っていく。


猫キャリーバッグが開かれると、そこには久しぶりの我が家の景色が広がっていた。



中原すみ
カンナ!おいでーっ
カンナ
ニャ!ニャァーン!!
(すみちゃーん!!)


目の前に大好きな飼い主であるすみの姿を確認したカンナは、すぐさま駆けて行ってすみの胸に飛び込んだ。


カンナ
ニャァーンニャンニャン!
(すみちゃーん!ただいまぁ!
会いたかったニャァ)


カンナは大好きなすみの匂いをめいっぱい吸い込みながら、顔をこすりつけた。


中原すみ
カンナおかえり、元気にしてた?
よしよし
カンナ
ニャァーン(嬉しいニャァ)


すみに優しく撫でてもらいながら、カンナはゴロゴロと喉を鳴らしてすみに甘えた。


中原すみ
ふふ、カンナ何か重くなった?
毛並みもいいし、玄弥君家でしっかりお世話してもらったみたいだね
不死川玄弥
すみちゃんありがと、カンナちゃんのおかげで
サネもすっかり元気になったよ


すみとゲンヤが仲良さそうに談笑している足もとでは、サネがウロウロと歩き回っていた。


サネ
ニャゴーニャゴーニャゴー
(おーい、カンナァ降りてこーい、
遊びにいこーぜェ)
カンナ
ニャンニャーン(わかったニャァ)


カンナはすみの腕から降りると、サネと一緒に外の世界へとくり出していった。




















カンナ
ニャァ、それにしてもこれからは本当に、
サネとゲンヤくんとすみちゃんと、
みんなで一緒のお家に住むニャァね
カンナ
何だか不思議ニャァ
サネ
ハハ、ゲンヤのやつ、ぷろぽナントカ上手くいったみてェだしなァ、つかオレすげェ嬉しい



サネがそう言いながらスリスリと頬ずりをしてくる。


カンナ
私も嬉しいニャァ


その日々を想像しただけで、カンナの心はキラキラと幸せに満ちていった。


サネ
ハハッ、つかキメツ町も久しぶりだなァ!
カンナ、いつもの公園行こうぜェッ


サネがウキウキした様子で駆け出すのを見て、カンナもその後に続こうとするが身重の体では思ったように動けなかった。


カンナ
サネぇ、待ってニャァ、
そんなに速く走れないニャァ
サネ
ん?あ、わりっ‥‥
カンナ大丈夫か!?


カンナ
ニャァ‥‥お家の中だとあんまりわからないけど、
お外で思いっきり走ろうとすると息が切れちゃうニャァ


ハァハァと呼吸を乱したカンナは、その場にそっと座り込んだ。


サネ
言われてみりゃァ腹もでかくなってきたしなァ
サネ
疲れるのも無理ねェなァ、ゆっくり行こうぜ


カンナとサネがのんびり路地裏を歩いていると、
ガラの悪い野良猫3匹組と鉢合わせになった。


グレー猫
あー!!サネ!
何でてめぇがここに!!
キジトラ猫
キメツ町を出てったんじゃねーの!?
白黒のぶち猫
おいおい冗談じゃねーよ
サネ
あ"?


サネがギロリと睨みを利かすと、3匹組はビクッと肩を震わせてじりじりと後ずさりした。


白黒のぶち猫
ケッ‥‥覚えとけよっ!


そして、そそくさと逃げ去っていく。


サネ
んだァ?あいつらァ

カンナ
ニャァ、サネが一緒だと安心ニャね
サネ
ん?そォか


こうしてカンナとサネはお気に入りの公園で日向ぼっこをしたり、遊具に登ったりと久しぶりに遊んで過ごした。


カンナ
(‥‥楽しいニャねぇ)
サネ
カンナァ、よろっと腹減ったなァ、
いつものとこ行こうぜッ
カンナ
行くニャァ!


お腹を空かせたカンナとサネは玉壺鮮魚店へとやってきた。


店に向かう道の途中からすでに新鮮な魚のおいしそうな匂いが鼻をくすぐった。


カンナ
いい匂いニャァ、お腹減ったニャァ

サネ
そだなァ、よしッ食料調達は久しぶりだがオレに任せとけェ


そう意気込んだサネが玉壺鮮魚店の店先にそっと顔を出した時‥‥。


玉壺(魚屋の店主)
ヒョッ!?お前たちはっ!


お店にやってきて早々、店主にバレたサネはすぐさま抱っこされて頭をわしわしと撫でられていた。


サネ
ニ"ャッニャニャッ!ニャゴ!
(ちょッ、オォイ!気安く撫でんなァッ)

玉壺(魚屋の店主)
ヒョーヒョッヒョッヒョッ!白猫!
しばらく顔を見せないから心配したぞ!
玉壺(魚屋の店主)
今日は再会の喜びに魚の半身をやろう!
ほれ、そこの茶トラも


こうして、新鮮な魚をもらった二匹は、いつもの屋根の上でさっそく食べ始める。


カンナ
おいしいニャァねぇ
サネ
ん、やっぱここの魚うめぇわ


カンナは口いっぱいに広がるうまみとともに喜びを噛み締める。


今こうして大好きなサネと、大好きな場所で一緒に過ごせる幸せを感じていた。


カンナ
サネ、おかえりなのニャ
サネ
ん、おォ、ただいま


サネはどこか照れくさそうに顔をそらしつつも、
穏やかな表情を見せていた。

















1日たっぷりと遊んだカンナとサネは、
夕方になり自宅に帰ってきていた。


中原すみ
あ!カンナとサネくんやっと帰ってきた!
中原すみ
お昼も帰って来ないでどこ行ってたの?
不死川玄弥
サネは外遊びが好きなんだな
カンナ
ニャーンニャーンニャーン
(すみちゃんただいまぁ、
楽しくていっぱい遊んで来ちゃったニャァ)
サネ
ニャーゴニャンニャーン
(ゲンヤァわりわり、
楽しくてつい遅くなっちまったァ)


カンナとサネが素直にすみとゲンヤの前にやって来ると、優しく頭を撫でられる。


カンナ
ゴロゴロ‥‥
(撫でてもらうの気持ちぃニャァ)


カンナがそのまますみに甘えていると、ふと撫でられる手が止まった。


中原すみ
‥‥あれ?カンナ、やっぱり体大きくなってない?
お腹が‥‥
カンナ
ニャ?


すみが何やら探るようにカンナの腹を撫でている。


そして次の瞬間、何かを察した様子のすみがギロリとサネの方を見た。


サネ
ニ"ャ!?


中原すみ
サネくーん?ちょっといいかなー?
いろいろ聞きたいことがあるんだけどー
カンナ
(す‥‥すみちゃん?)


表面上では穏やかな笑みを浮かべたすみが、ただならぬ雰囲気をかもしだしながらじりじりとサネに近寄っていった。












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