💙side
3限目の授業が終わったあと、同じクラスである俺と涼太は先生に呼び出された。
どうやら亮平が体育の持久走で倒れたらしい。
俺たちはすぐに保健室へと向かった。
ガラガラ🚪
保健室の1番奥のベットには顔色のよくない亮平の姿があった。
ガラガラ🚪
俺ら先輩2人がいて、すこし怖がってるのかな…笑
でも深澤くんは3限目のことを詳しく話してくれて、亮平が早退するって先生に言われたから、スクールバッグなどの荷物をわざわざ教室から持ってきてくれた。
優しい友達を持ったんだなー、なんて思いながら俺らも亮平と一緒に早退することになった。
そう言っている俺らの後ろでは、まだ目を覚まさない亮平の姿。
保健室の先生「運ばれてきた時よりかはぜんぜん顔 色よくなってきてるね」
今でもまだ顔色悪いのに…
さすがの俺たちでも、心配になる。
30分ほど横に着いていると、やっと亮平は目を覚ました。
亮平は途中まで起こした体をたおし、もう一度ベットへともたれかかった。
そう言って亮平はジャージのポケットから塩分チャージを取り出した。
でも、その塩分チャージはなぜか粉々になっていて袋もぐちゃぐちゃになっていた。
ガサゴソ👜
涼太は自分のカバンからストックしていた塩分チャージを亮平に渡した。
〜帰宅🏠
俺らは近くの病院に寄り、学校のみんなとはだいぶ早くに帰ってきた。
俺が振り返ると、亮平は涙を流していた。
涼太は亮平の背中を撫でながら、一緒にソファーへと腰掛ける。
俺がいると、空気を崩しそうだからスクールバッグを肩にかけ部屋に戻ろうとすると、
亮平に名前を呼ばれ、俺は振り返る。
普段自分から悩みを打ち明けることの無い亮平からは、考えられないお願いだった。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。