第2話

仲間との別れ
70
2025/07/05 07:42 更新
土蜘蛛
土蜘蛛
ふむ、よかろう。その根性、しかと見届けた。お主のことは喰わぬ
大ガマ
大ガマ
は?
ふざけんな──そう、言いかけた。けど、口から出るこたァなかった。それはきっと、オレの本心が「死ななくてよかった」と言っているからなんだろうな。
土蜘蛛
土蜘蛛
吾輩は生まれてからずっと一人だ。家族や仲間などというものは無い。よってお主が吾輩の身内となれ
もうめちゃくちゃだ。このとき、こいつに挑発を仕掛けたことを酷く後悔した──次の一言を聞くまでは、な。
土蜘蛛
土蜘蛛
お主がもし、この話を受け入れようと言うのなら、この池で縄を張るのは止めるとしよう
大ガマ
大ガマ
え……ほ、本当か?
土蜘蛛
土蜘蛛
あぁ、約束しよう
これ以上仲間に不安をかけたくねぇのと、被害が及ぶのが嫌で、オレは土蜘蛛の身内になることにしたんだ。
家族でもあり、友人でもある──そんな関係になっちまった。

翌日、オレは仲間に全てを打ち明けた。土蜘蛛のところに行ったこと。身内になったことをな。仲間はみんな唖然としていた。土蜘蛛が、縄張りの場所を変えることで、オレは仲間に別れを告げなければならなくなった。正直、オレの人生、もう終わったと思った。土蜘蛛のところへ行かなければ、こんなことにはならずに済んだんだ、ってな。
大ガマ
大ガマ
じゃ、世話んなったな
一切振り向くことなく、オレのペースで土蜘蛛んとこまで歩いた。「さよなら」なんて水臭ぇことは言わねえ。いつかまた、会いに来っからな。

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