ふざけんな──そう、言いかけた。けど、口から出るこたァなかった。それはきっと、オレの本心が「死ななくてよかった」と言っているからなんだろうな。
もうめちゃくちゃだ。このとき、こいつに挑発を仕掛けたことを酷く後悔した──次の一言を聞くまでは、な。
これ以上仲間に不安をかけたくねぇのと、被害が及ぶのが嫌で、オレは土蜘蛛の身内になることにしたんだ。
家族でもあり、友人でもある──そんな関係になっちまった。
翌日、オレは仲間に全てを打ち明けた。土蜘蛛のところに行ったこと。身内になったことをな。仲間はみんな唖然としていた。土蜘蛛が、縄張りの場所を変えることで、オレは仲間に別れを告げなければならなくなった。正直、オレの人生、もう終わったと思った。土蜘蛛のところへ行かなければ、こんなことにはならずに済んだんだ、ってな。
一切振り向くことなく、オレのペースで土蜘蛛んとこまで歩いた。「さよなら」なんて水臭ぇことは言わねえ。いつかまた、会いに来っからな。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。