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第1話

ichi
1,035
2023/09/24 11:41
ホンジュンside───




門を通り抜けると、正面には大きな噴水



誰かわからないブロンズの像だって至る所にある





今日からここが仕事場になる





だからといって別にわくわくしたり、





何かに期待したりするような気持ちは一切





と言っていいほど、現れない。




ただ、また新しいご主人様を満足させられるように




上手く立ち回るだけだ。




───

ピンポーン



呼び鈴を押すと



屋敷のメイドの人が出迎えてくれた




屋敷の中も表にひけをとらないほど壮麗で




至る所に高価そうなロココ調の装飾が


施してあった。




通された屋敷の奥にある応接間には



大きなソファがあり、



ドアから向かって右側には歴代の家の主の



肖像画がずらりと飾られていた。


とても威圧感のあるお部屋に少し居心地の悪さを


感じたがご主人様が現れるまで




立ったまま姿勢を正して待つ。





ガチャ



一目見た瞬間、凪のようだったこの空間に



暖かいそよ風が吹いたかのようだった。



sh「君がホンジュン?」



そう聞かれ、目の前にいるご主人様の目を見て



頷く。


sh「俺はソンファ 今日から君には僕の側で


身の回りの雑用をやってもらう。よろしく」



またこくりと頷く。



sh「ずっと立っていたらしんどいでしょ、座りなよ」



いま座れって言われた?




どういう意味でそんな事を言ったのだろうか




ご主人様の前で足をくずすなんて不敬に値する。





そこに跪けという意味なのだろうか



そう思い、地べたに跪きご主人様の顔を見上げた。




sh「あぁ、そういう事じゃなくて
ソファに座ってっていう意味なんだけど、」




主と同じ場所に座るなんて絶対に出来ない。



と、首を横に振った。



頑なに僕が座ろうとしないので諦めたのか




sh「とにかく跪くのはやめて、座らなくていいから」




そう言われ立ち上がり、また姿勢を正して立つ。





sh「俺は25歳、ホンジュニは何歳?」



急に自分の事を聞かれて戸惑う




前の御屋敷では



基本的にご主人様が口を聞いて良いと言われない限り


言葉を発するのはご法度だった。




これは答えてもいいのだろうか、




何も答えず沈黙が流れると、また質問をしてきた。



sh「前はどこに住んでいたの?」




「何をするのが好き?趣味は?」



次々と浴びせられる質問に



答えていいのかも分からず


また黙っているとご主人様も痺れを切らしたのか






sh「なんで答えないの?」



と切れ長の目をこちらに向けてこう言われた。






あぁ怒らしてしまった。



初日からご主人様の気分を逆撫でしてしまった。



もう、終わった。



どうにかしないと、殴れる。



あぁ、どうしよう



挽回しないと




そう思い、ご主人様の前に跪き




ご主人様のズボンのチャックを下ろして



ソレを口に入れる。




sh「えぇ、っちょ、待っ何して」




そんなご主人様の声も聞かず、続けようとする。


大きすぎるソレに歯を立てないように一生懸命

頭を動かした。




あまりの圧迫感に生理的な涙が出そうになったが




前のご主人様は僕が泣くとキレて酷くされたので



ぐっと堪える。


sh「ちょっと、ストップ」



そう言われようやく動きを止める。





sh「なんでこんな事するの?」





頭に?が浮かんで消えない。




これまでの人はこれをすれば




喜んでもらえたし、


上手く怒りを鎮めることが出来た。



どうして?






僕が下手くそだったからいけなかったのか。





hj「申し訳ございません。僕が下手くそだから嫌なんですよね。罰は受けるので許して下さい」


と服を脱ごうとする。



sh「だからちょっと、違うって、俺はそんな事望んでないから、服も着て」






ご主人様の事が全く理解出来ない。





前のご人様はこれをすれば喜んでくれた。




というかするのが当たり前だった。



hj「申し訳ごさいません。」




sh「謝れとも言ってない」




hj「勝手に口聞いて申し訳ございませんでした。」



sh「だから、そういう事じゃなくて。普通に喋ってくれていいから、それに怒ってないし」



hj「申し訳k」



sh「謝っちゃだめだよ。そんな簡単に」


そう言われこくりと頷く。



sh「ホンジュンの部屋用意してあるから案内してもらって。
俺は仕事あるから夜ご飯まで自室で休むと良いよ」


hj「承知致しました。」





ホンジュンなんて

呼ばれたのはこの人が初めてだった


前のご主人様はお前とか

主語がない時の方が多かった。






変わった人だなと初めは思っていた。




















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