変わらない静かな笑顔で、目黒は話しかけてくる。
懐かしい。
日常だった何気ない会話。
ふとそこで思ったことを口にして、それに対して淡々と返していくような会話。
そのくらいの温度が、私たちにはちょうど良かった。
目黒は、もう彼氏じゃないんだよ?
だから私なんかじゃなくて、違う人と行ってよ。
言ってなかったよね。
そう言って、目黒は私の顔をじっと見つめながら、
話した。
何も口に出せない。
だって別れて1年経ってるし、嘘偽りないことを言うと、もう私の中に目黒はいない。
でも、それをここで言うと、なんだか目黒を壊すような気がして、言えなかった。
ねぇ、あなたのそれはどういう表情?
お願い、そんな目で見ないで。
苗字で突然呼ばれたことに、彼はショックを受けているようだ。
でも、私にもう蓮って呼ぶ資格はないよ。
まさかだけど…ね。
冗談めかしに心の中で言うけれど、目黒の瞳が、嘘ではないと言っている。
天真爛漫なこの声に、私たちは一斉に振り向く。
私たちよりも明らかに小柄なその先輩は、歳不相応な無邪気さで、こちらに向かって歩いてきていた。
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佐久間さんのあの無邪気さは自然体なの?
それとも既製品?どっち?












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。