第13話

七夕の覚悟 -翔-
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2022/07/23 14:00 更新
七夕は泣きながら、僕の話を聞いてくれた。七夕との戦いが終わった訳では無い。まだまだこれからだ。約束したからにはどんなドジをしても、どんな失敗をしても向き合わなきゃいけない。だから、だから、、何をしたらいいんだろう…。
結局は見切り発車で、意気地無しなのは変わってない。ほんとダメだな。何も出来ない。
こんなんで、戦えるのだろうか。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
しょうくん。ありがとう。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
だけど、謝らなきゃいけないのは私だよ。
翔(かける)
翔(かける)
何を?
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
逃げてたのはしょうくんだけじゃない。私もだよ。
僕を見かねてか、七夕は僕に心の内を話してくれた。
泣きながら、ゆっくりと。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
しょうくんはさっき言ってた、私は違う世界の人間に見えたって。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
でも、それは私も同じで、しょうくんが全く分からなかった。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
大抵の人の考えてる事はわかったし、何をしたいかもわかった。でも、しょうくんだけは全然分からなかった。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
私に持ってないものを持ってて、羨ましいなってずっと思ってた。
翔(かける)
翔(かける)
ほんとに?
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
ほんとだよ。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
だから、しょうくんのことをもっと知りたいって思った。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
でも、わかったのはしょうくんの感情はとても忙しいってことだけ。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
沢山笑って、沢山泣いて、怒ることはほぼなかったけど、、そんなしょうくんが私は大好き。
翔(かける)
翔(かける)
ありがとう。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
うん!でも、私が変わっちゃったら、そんなしょうくんがいなくなっちゃうんじゃないかって怖かった。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
頼りなかった訳じゃない。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
でも、私が事故にあって、だんだんしょうくんが大きく見えて、私なんかって思うようになって、しょうくんが離れちゃいそうで、、
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
笑ってなきゃって、今まで通りの私じゃなきゃって。不安だった。
七夕の思いを初めて知って、僕は驚きが隠せなかった。僕も泣いていた。そして、空も。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
それだけじゃない。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
私は自分が壊れていくのがはっきりわかった。変わるのがちゃんとわかった。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
それを誰かに見せてしまったら、みんなも昔の私を忘れちゃうんじないかって
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
私を肯定する人がいなくなるんじゃないかって。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
しょうくんも私もいなくなっちゃうんじゃないかって。
翔(かける)
翔(かける)
そんなことない!
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
でも、分からないでしょ?
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
だんだん、それにも疲れてきて、もう諦めなきゃなって思った。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
私が戻ってこないのはもうわかってるから、しょうくんが居なくなるのもしょうがないって。
七夕の言葉は信じられないほどに、僕の不甲斐なさを感じさせた。でも、七夕が教えてくれたのかもしれない。戦い方を。
僕は、七夕を抱きしめた。
翔(かける)
翔(かける)
七夕。
翔(かける)
翔(かける)
大丈夫だよ。
翔(かける)
翔(かける)
だって言ったでしょ。僕と七夕は同じだって。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
うん。でも
翔(かける)
翔(かける)
でもじゃないよ。お互いがお互いから逃げてたんだ。そりゃ近づけるわけないよ。
翔(かける)
翔(かける)
でも、今はちゃんと2人で同じように向き合ってる。
翔(かける)
翔(かける)
もう怖くないでしょ?頼りない僕かもしれないけど。約束したから。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
うん。
翔(かける)
翔(かける)
だから、七夕も約束して。無理しないって。
翔(かける)
翔(かける)
リハビリもきついなら辞めればいい。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
わかった。でも、リハビリは辞めないよ。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
戻れなくても、昔より良いように変われるかもしれないからね。
翔(かける)
翔(かける)
そっか、わかった。
七夕の強さは相変わらずだった。僕も強くなりたい。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
しょうくんは強くなったよ
翔(かける)
翔(かける)
え?
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
さっき言ったでしょ?大きく見えたって。
翔(かける)
翔(かける)
なんで、僕の気持ちが、、
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
わかるようになったのかもね!
七夕は笑った。これはきっと、本当の笑顔なんじゃないかな。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
迷惑かけるかもしれないけど、よろしくお願いします。
翔(かける)
翔(かける)
もちろん。頑張ろうね。
翔(かける)
翔(かける)
早く、残りのケーキ食べようよ。それちょっとちょうだい。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
えーどうしようかなー。
七夕と本気で語り合ったのは初めてかもしれない。これで、七夕が前進するきっかけになってくれれば僕はきっと僕の役目を果たせたんだろう。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
しょうくん、大好きだよ。
翔(かける)
翔(かける)
僕も。
七夕(なゆ)
七夕(なゆ)
そこは、僕も大好きだよって言うんだよ。
2人で笑いあった。何週間ぶりの七夕の笑顔は前よりもずっとずっと輝いていた。
そして、いつの間にか、空も笑っていた。

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