第5話

4.嫉妬
44
2024/06/17 15:00
一彩side
ハチ・ライズ
ハチ・ライズ
それでは、悩みをお話しください。
花夏 一彩
花夏 一彩
悩み……
私に悩みはない。あったとしても、琉華にいにいつも話してる。
そう思ってるのに、何故かこの人の前だとどんどん思ってもないことが脳内に浮かび上がってきた。
ハチ・ライズ
ハチ・ライズ
悩みがないなんてことありませんよね、私が引き出してるんですから
ハチ・ライズ
ハチ・ライズ
ほら、早く話しちゃってください
花夏 一彩
花夏 一彩
っ……
「素敵な時間を届けます」なんて完全なる嘘。
こんなの強制的に言わせてるだけに変わりない。
でも、一つの思いだけは確かに、昔に感じていたことだった。
花夏 一彩
花夏 一彩
……私、は
花夏 一彩
花夏 一彩
琉華にいと違って何にも出来ないから、羨ましい
花夏 一彩
花夏 一彩
何やろうとしても上手くいかないし、失敗すると「だから言ったのに」って言われて。
ハチ・ライズ
ハチ・ライズ
それで?
花夏 一彩
花夏 一彩
それで……私は……
花夏 一彩
花夏 一彩
……「何でも出来る兄」が憎らしい
ハチ・ライズ
ハチ・ライズ
……そうですか
ハチ・ライズ
ハチ・ライズ
よく話して下さいました、私達happy carnivalが貴方達の悩みを解決致します
花夏 一彩
花夏 一彩
……どうやって?
花夏 一彩
花夏 一彩
魔法?催眠?アイテム?
花夏 一彩
花夏 一彩
そんなもの、この世界にはないし……
ハチ・ライズ
ハチ・ライズ
ありますよ。
花夏 一彩
花夏 一彩
…………
ハチ・ライズ
ハチ・ライズ
不思議なshowを後で見せてあげます
ハチ・ライズ
ハチ・ライズ
では、私はレイのところに向かいますね。
ハチさんは、物置であろうここから、どこか別のところへ向かった。
花夏 一彩
花夏 一彩
不思議なshowって……
花夏 一彩
花夏 一彩
そんなの、あるわけないのに
ふと床を見ると、例のポスターが大量に落ちていた。
周りの棚にはポスターの山や大量の造花、「道具」と書かれた箱、そして大きな黒い袋があった。
私は立ち上がり、黒い袋の結び目を解き始める。
もう少しで開きそう、というところで、扉が開く音がした。
ハチ・ライズ
ハチ・ライズ
……何をやってるんですか?
花夏 一彩
花夏 一彩
あ……えっと、ただ気になって
ハチ・ライズ
ハチ・ライズ
へえ……
ハチ・ライズ
ハチ・ライズ
別に見ても良いけど、それで後悔しても知らないですからね。
ハチさんの目は、「見るな」と言っているように感じた。
花夏 一彩
花夏 一彩
っ……私、戻ってますね……
ハチ・ライズ
ハチ・ライズ
了解です、すぐ行きますからね。
振り返って見ると、ハチさんは黒い袋の中を確認して、小さく呟いていた。
ハチ・ライズ
ハチ・ライズ
この……には……しかない……に

プリ小説オーディオドラマ