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第1話

Prologue
64
2026/04/17 06:43 更新
新学期。クラス替えで、仲のいい友達と全員別れてしまった私は、教室の角で一人、ただ次の時間の予習をするしかなかった。さらに困ったことには、私の隣の席に、学年で有名な『孤高の王子様』がいるのだ。その孤高の王子様というのは、誰とも仲良くせず、笑わず、ただただ課題をこなし、テストは学年トップで、美術部じゃないのに美術で優秀賞を取る才児だった。
そして今も、私は相変わらず数学の課題とにらめっこし、隣の孤高の王子様_シロさんは本を読んでいた。
シロ
シロ
………おい。
え、王子様が喋った。初めて声聞いた。声もかっこいいんだ。ずるいね。
シロ
シロ
おい、お前。
(なまえ)
あなた
え、私?
あ、私に声かけてたんだ。気づかなかった。まさか、王子様が私に興味あるわけないと思ってた。
シロ
シロ
お前以外におらぬだろう。
(なまえ)
あなた
あ、あぁ。
そうなんだ。まあ隣だからか。
シロ
シロ
次の時間はなんだ?
(なまえ)
あなた
数学、だけど…
シロ
シロ
そうか。
そういえば、王子様は勉強得意だよね。学年トップだし。このよく分からない問題、王子様に聞こうかな。せっかく話しかけてくれたんだし。
(なまえ)
あなた
あ、あの!さ…数学の課題ってやった?
シロ
シロ
ああ。…まさか、やっておらぬのか?
(なまえ)
あなた
いやいや!やったよ!だけど、分からない問題があって…
シロ
シロ
ふむ。見せてみろ。
王子様に課題を見せる。すると、一つ一つ丁寧に教えてくれた。
シロ
シロ
__ということだ。もう分かるな?
(なまえ)
あなた
うん!分かった!すごい、先生より分かりやすかった!ありがとう!
王子様は教え方が上手だった。天才なのかと思っていたが、案外努力型なのかもしれない。
シロ
シロ
教師がどのように教えておるか、我は知らぬが…お前は中々吸収が良いな。
(なまえ)
あなた
え、そうかな?ありがとう。あ、えっと、名前…私、あなたの名字あなた。
シロ
シロ
あなたか。我のことは知っておるだろう。好きに呼べ。
(なまえ)
あなた
あぁ、えと、シロさん…?
シロ
シロ
…好きに呼べと言ったが、我とお前は同学年だろう。その呼び方はよそよそしいのではないか?
(なまえ)
あなた
あじゃあ、えと、シロくん…うーん、シロ!シロ、でいいかな?馴れ馴れしい?
シロ
シロ
いや…構わぬ。それで良い。
そうして私は、『孤高の王子様』シロと話すことができた。
_当時の私は、シロを少し怖い人だと思っていた。だから、まさかこんなにメロ男だったなんて、知る由もなかった_____
(なまえ)
あなた
あ、このフラッペにしよ〜
シロ
シロ
貸せ。我が払う。
(なまえ)
あなた
……え?いいよ?
シロ
シロ
良い。代わりに、お前は喜んで、我にその笑みを見せろ。それだけで構わぬ。
(なまえ)
あなた
…………は、はい…
(なまえ)
あなた
じゃあ私、こっちだから。また明日ね。
シロ
シロ
何を言っておる。家まで送る。このような夜道を1人で歩くな。危険だ。
(なまえ)
あなた
え?良いって。
シロ
シロ
我のことは気にするな。お前が気がかりなのだ。
(なまえ)
あなた
あ、ありがとう………
孤高の王子様は、どうして孤高なのか分からないぐらい、気を使ってくれて優しい、メロ男だったというのを、これから私は嫌というほど知らされることとなる_

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