資料室の復旧作業は、勿論その日の昼休みだけでは終わらなかった。毎日2人が空いている時間を見つけては、生徒会室の開かずの間の謎を解くため尽力したのだ。
そして、資料室を掃除し始めて2週間が経った頃…。
玄彗が白いデスクの引出しに丁寧にファイルを収納する。引出しを閉じ、辺りを見渡すと、そこには出会った当初とはかけ離れた状態になった開かずの間があった。蛍光灯の光で煌びやかに反射するほど磨かれた床、きちんと棚に整理整頓されたファイルやプリント類。埃1つ無い清潔な資料室になったのである。
麗志郎が不安げな表情を浮かべる。
不意に玄彗が雪のように真っ白な手をぽんっと麗志郎の頭の上に乗せる。
麗志郎が頬を少しだけ赤らめて照れる。というのも、麗志郎はいつも孤独に生きてきた。親でさえもこんな事を麗志郎にはしなかったのだ。
一方の玄彗はというと…。
こっちもこっちで無知でした。
ついに耐えきれなくなり、麗志郎が玄彗の手をつかんでひょいっと頭から離す。
麗志郎が嫌な予感と共に寒気を感じる。
玄彗の背後からシュルシュルと細い何かが、玄彗の腕を伝って現れた。
それはそのはず。蛇は鳥の天敵なのだ。
麗志郎の前世の朱雀も、いつも玄武の肩に乗っているヘビ男の事を裏で苦手意識を持っていた。
ヘビ子が一鳴きすると、資料室の床を這い進む。キョロキョロと何かを探っているようだ。
玄彗は、ふと思い出にふけるようにヘビ子を見つめた。
すると、今まで床をシュルシュルと這っていたヘビ子が、他のより一段と年季が入っていそうな赤い資料棚の前で立ち止まる。
玄彗はヘビ子を定位置に戻した後、その真紅の資料棚をまじまじと見る。
その麗志郎の発言を聞き少し間を置いた後、玄彗が「もしや、」と呟き、赤い資料棚に手を伸ばす。
すると、資料棚の周りに「バチィィィ!」と紫の電流が走る。
突然の出来事に麗志郎がビクッと肩を上げる。
しばらく電流が流れた後、シュウゥと煙を立てて妖結界が現れた。
ヘビ子が玄彗のズボンのポケットからスマホを取り出し、電話をかけ始める。
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!