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第19話

ないんてぃーん
5月1日。晴れ。








夏樹の誕生日だ。
桜島 夏樹
『いぇーい!』
夏樹ははしゃぎながら、水族館に向かって歩く。
西風 柚希
『あまりはしゃぐと周りに迷惑だ』
桜島 夏樹
『えー、何か、柚希お母さんみたい』
西風 柚希
『誰がお母さんだよ』
桜島 夏樹
『お母さーん!』
西風 柚希
アホ夏樹を産んだ覚えはない』
桜島 夏樹
『酷っ』
西風 柚希
『ほら、行くぞ』
僕は夏樹の手を引っ張る。

すると、夏樹は満面の笑みを浮かべた。


僕も、少し笑った。




















桜島 夏樹
『見て!あれ、ジンベエザメだよ!』
西風 柚希
『普通、女子とかはイルカとかペンギンで騒がない?』
桜島 夏樹
『ジンベエザメが一番!』
西風 柚希
『何で?』
桜島 夏樹
『可愛いから』
西風 柚希
『「格好いい」じゃないんだ』
桜島 夏樹
『うん』
すると突然、夏樹が売店に走りだした。

そして、ジンベエザメのぬいぐるみを見て目を輝かせる。
桜島 夏樹
『可愛い!』
そんな夏樹がとても可愛いと思ったのは、僕以外誰も知らない。
西風 柚希
『買ってやろうか?』
桜島 夏樹
『いいの!?』
西風 柚希
『うん。誕生日だし』
桜島 夏樹
『でも、誕生日プレゼントは水族館に一緒に行くだけじゃ‥‥』
西風 柚希
『別に良いよ』
桜島 夏樹
『柚希、なんか彼氏っぽいね』
西風 柚希
『彼氏だよ?』
すると、夏樹の顔がぶわっと赤くなる。
桜島 夏樹
『そう言われると何か‥‥恥ずかしい』
西風 柚希
『どうしたんですか?彼女サン?』
僕はニヤリと笑う。
桜島 夏樹
『意地悪‥‥』
西風 柚希
ははっ
西風 柚希
『じゃあ、会計してくる』
桜島 夏樹
『うん。ありがと!』
夏樹は満面の笑みを浮かべた。























桜島 夏樹
『いやー、楽しかった!』
西風 柚希
『しっかり、誕生日プレゼントになった?』
桜島 夏樹
『うん!』
西風 柚希
『それは良かった』
僕は口元を緩ませる。
桜島 夏樹
『あ!』
桜島 夏樹
『柚希の誕生日教えてよ!祝う!』
西風 柚希
『今日だよ?』
桜島 夏樹
‥‥‥
夏樹は目を見開いて僕を見つめる。
桜島 夏樹
『え、ちょ、先に言ってよ!?』
西風 柚希
『え、いや、だって、夏樹があまりにも楽しそうだったから、僕も誕生日だって忘れてて‥‥』
桜島 夏樹
『祝いたかったのに‥‥』
夏樹はしょぼんと落ち込む。

そんな夏樹の頭に、僕はポンと手を置く。
西風 柚希
『夏樹といられて、楽しかった。最高の誕生日プレゼントだよ?』
僕が微笑むと夏樹はまた、顔を赤くした。
西風 柚希
‥‥?
桜島 夏樹
『柚希のデレの破壊力が‥‥』
デ、デレ‥‥?
桜島 夏樹
『でも、それなら良かった。最後の誕生日に何も出来なかったって思って、ショックだったから』
夏樹は微笑む。

夏樹って、泣いたり笑ったり、落ち込んだと思ったら顔を赤くしたり、表情がよく変わる。
西風 柚希
『うん。ありがと』


独りぼっちの頃にはあり得なかったことが、今は当たり前になってきている。

それは、太陽のように凄く輝いて見えた。