胸がどくりと大きく鳴り 、
目を覚ました
まだ少し夜の気配を残している暗い部屋で
天井を見上げながら 、
小さく息を吸った
まだ夢の中にいるように 、
心がふわっとしている
手の中には鍵が握られていた
まだ鼓動が早く 、
鍵を持っている手がじんわりと汗ばんでいる
窓から一筋の光が差し込んで 、
ようやく時が動いた気がした 。
学校学校について 、 ふたりと挨拶をかわす
1時間目の準備をしていると 、
葵が口を開いた
葵が話し始めたのは 、
七不思議7番目「 トイレの花子さん 」
についての噂だった
こんな噂、知っていますか?
七不思議7番目 、「 トイレの花子さん 」
旧校舎3階の女子トイレの3番目
そこには花子さんがいて 、
呼び出した人の願いを叶えてくれるんだって
でも引き換えになにか大切なものを
取られてしまうんだって !!
呼び出し方は 、 ノックを3回 、
それから
「 花子さん花子さん 、 いらっしゃいますか ? 」
寧々ちゃんは目をキラキラと輝かせていた
そして 、
と言った
私も少し気になっていたので 、
寧々ちゃんについて行くことにした
私たちはそうやって約束して
席に着いた
授業中チョークの音と先生の声が教室に響く
黒板の文字を書き写す気が起きず 、
窓の方をぼーっと見つめていた
外には体育を行っているクラスと 、
風にゆらゆら揺れる枝葉があった 。
そう思っていた時 。
校門近くの桜の木の下に人影が見えた
そっと視線を伸ばすと 、
どこか見覚えのある背中が見えた
” 気がした ”
もう一度視線を向けると
そこに人影は無くなっていた 。
夢のことや人影のことが気になり 、
授業には全く集中出来なかった
放課後私たちは旧校舎3階の女子トイレに
恐る恐る足を踏み入れる
そして 、
3番目の個室の前に立つ
呼び出し方はノックを3回
こんこんこんっ
2人のノックの音が重なる
それから 、
「 花子さん花子さん 、 いらっしゃいますか ? 」
今の声が 、
酷く懐かしく感じた
ギイイイイと音を立てて扉が開く
怖いのか 、
寧々ちゃんが私の手をぎゅっと握る
私もそっと寧々ちゃんの手を握り返す
完全に扉が開いた時 、
そこには誰の影も 、 なんの気配も無かった
ふっと肩の力が抜けた時 、
と声がして肩に とんっ と手が置かれた
寧々ちゃんも私も 、
二人で絶叫した
NEXT ☆40
次回からようやく新しいところか ... ((

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!