第58話

単純なあの頃の眩しさに、
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2025/08/28 11:54 更新

独りぼっちのこさめの家に耐えきれなくなって
ふらりと、家から出て歩き出した

もう、つかれた

こさめも……みことも、いない
二人とも、どこかへ行ってしまった

親父とお袋は、当たり前かのように
俺のことに気がついてなんていないらしい

さっきたまたま家の前を通ったから中を覗けば、
相変わらずいつも通り喧嘩していた

少し、悲しくなってその場からはすぐに離れた
i.
……誰も、いねぇよ、な
気がつけば、いつもの癖で秘密基地に来ていた


いつも秘密基地に来るときは、みことがいた
けれども今はたった一人だけ

人生で始めて、俺だけで秘密基地に来たことが
本当に変に感じて、違和感を覚えた



始めて秘密基地に来た時は……

あぁ、確からんが俺とみことを誘ったんだよな
l.
『ふたりとも……だいじょうぶ、?』
l.
『ねぇ、ひとりぼっちなら、さ……』
l.
『ひみつきち、おいでよ!』
確かそれが、小三年の頃だった気がする
気がつけばあれから七年も経っているらしい
時間の流れは本当に早いんだと実感した

当時、俺ら何してたっけ
ひたすらに馬鹿なことやって、遊んで、
それで、またずっと笑ってて____










i.
……っは、は……
秘密基地に集まって
ただただ「楽しいね」って単純な

そんなあの頃を思い出して
ふと涙がこぼれた
i.
昔、は……こんな、辛くなかった、
はずなのに……なぁ……
昔は、本当に純粋だった
何も知らない、無垢な子供だった

純粋だったからこその辛さもあったけれど、
それよりも汚れたあとの方が辛かった

だって、この世の中の全てが
全て汚れて見えてしまうのだから
i.
ねぇ……みこと……こさめ……
二人は、どこに居るの?
二人は、今どうなってるの?
k.
『っごめん……ね、』
k.
『……っバレ、ちゃったや』
謝らないで
悲しそうに笑わないで

こさめが警察のところに独りでいるなら、
犯罪に手を染めてでもこさめに会いに行って
絶対に助け出してやる
m.
『っちょ、お母さっ……!』
m.
『っいるまく……っ!』
何もできなくてごめん
手を取れなくてごめん

みことが今自分の部屋で独りでいるなら
今すぐみことの家に行って、無理矢理入って
みことを連れ出してやる


わかってる、わかってるんだよとっくに

全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部_____



サイテイな俺が、ワガママ家に居たくない言ったせいだって
もう繰り返しちゃいけないなんて、わかってる
もうこんなことしちゃいけないなんて、



でも、それでも、俺は……
i.
独り、は……嫌……っ、
こんな、ワガママでサイテイな俺でも、
二人はまだ、許してくれますか?


あの頃を思い出して……話をしてくれますか?
ボーって空を眺めていた
誰も来ない秘密基地の裏にある狭い原っぱで、
ただ一人で空を眺めていた時
s.
……ぁ……
丁度、飛行機雲飛んでって、
l.
『……っあぁ、でも……』
l.
『眩しい、ね……っ』
そう言って泣いていた、
そんな記憶を思い出して思わず声が出た
まだ、記憶を思い出してない頃の夢
今思えば、あの夢の内容を話した時の
らんらんとひまちゃんの反応も、妥当だなと思える
s.
(……でも……)
確かに、そう言ってらんらんは泣いていた
その事実は、紛れもないものなのに

その時の君はどんな顔だっけ
s.
なぜだろう、
s.
思い出せないな
君は、もしかしたら顔を見せなかったのかもしれない
君は、強がりでありたいから
君は、いつも俺らを助けてくれるから


……でも、今ぐらい、助けてさせて、

らんらんたちが、「罪滅ぼし」を俺にしたように
俺は、らんらんたちへの「恩返し」をしたい

俺の苦しみは、みんなのおかげですぐに終わった
でもみんなは、未だに苦しみ続けている

俺は、それが今一番苦しかった
俺が、何の助けにもならないのが____












i .
……す、ち……?
s.
……っへ、
s.
いるま、ちゃ……?
偶然か、神様のいたずらか、

秘密基地の表側から、いるまちゃんが回ってきて
俺と目が合って、大きく目を見開いた
i .
っごめん、
s.
え、
でも、いるまちゃんの口から出たのは
そんな状況にはあまりにも相応しくない
謝罪の一言だった

予想していなかったこの状況に、戸惑っていると
いるまちゃんは、静かに口を開いた
i .
こさめ、と……っ、みことの、こと……
i .
俺、俺ずっと、あの場にいたのにっ、
何もできなくて……ッ゙!!!!
そう謝罪の言葉を叫ぶいるまちゃん

いつものあの便りになる背中は、
驚いてしまうほど小さくなって、震えていた


その時に、強く実感した

いつもは、何も気にせずに過ごしているけれども
いるまちゃんは、年下の後輩なのだと

それを感じると同時に、俺はいるまちゃんを
力の限り強く抱きしめていた
s.
っんーん、いいの……っ、いいのっ、
s.
大丈夫、大丈夫だから……っ、!
 




s.
っねぇ、いるまちゃん……っ、
s.
また……っ六人で、集まるためにさ、?
s.
俺らで……探、そ?
i .
……んっ、
そう俺が言えば、いるまちゃんはそれだけ言って
俺を抱きしめる力を、ぎゅっと強めた

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