第24話

21話
339
2026/02/27 23:25 更新
朝、いつも通り食堂が賑やかだった
今田美桜
今田美桜
あなたおはよー
出口夏希
出口夏希
今日も体育あるよー
声が飛び交う中、私は少しだけ動きが遅かった
体が思う通りに動かなくて、
少しだけダルさもあった
目黒蓮
目黒蓮
…………?
蓮くんが気づいたかもしれない
目黒蓮
目黒蓮
顔、白くない?
(なまえ)
あなた
そう?
私は笑って答えた
もちろん今も体はだるい
そして、スプーンを持つ手が少しだけ力ない
亮平くんもこちらをずっと見ている
阿部亮平
阿部亮平
熱、あるかも
(なまえ)
あなた
ないない
そう言って立ち上がる
その瞬間ふらっと揺れる
ガタン
椅子がなるより早く、数人が同時に立ち上がる
阿部亮平
阿部亮平
大丈夫?
目黒蓮
目黒蓮
座れって
渡辺翔太
渡辺翔太
無理すんな
みんなは口々に話し始める
私はびっくりした
(なまえ)
あなた
ちょ、ちょっと待って
額に手が触れる
目黒蓮
目黒蓮
熱い
亮平くんが手首をとる
阿部亮平
阿部亮平
脈、早いよ
翔太くんがスマホを出す
渡辺翔太
渡辺翔太
保健室に連絡する
(なまえ)
あなた
いや大袈裟!
私は慌てた
でももう遅い
























保健室
結局、クラスの代表みたいに3人が付き添う
廊下ですれ違う2年生が足を止める
佐藤勝利
佐藤勝利
どうした?
(なまえ)
あなた
熱出しました
2年生の顔がすっと変わる
佐藤勝利
佐藤勝利
無理させるなよ
お兄ちゃんも遠くから一言
永瀬廉
永瀬廉
今日の授業休ませとけ
自然に、守る空気
保健室で体温計が鳴る
二宮和也
二宮和也
40℃
先生が優しく言う
二宮和也
二宮和也
今日は休もうか
私は天井を見る
(なまえ)
あなた
そんな、大したことないのに
蓮くんが即答した
目黒蓮
目黒蓮
大したことある
亮平くんも言う
阿部亮平
阿部亮平
俺らにとっては
一瞬、空気が止まる
私はきょとんとして、意味がわかっていなかった



















放課後 寮
私は部屋で寝ていた
コンコンとノック音がする
(なまえ)
あなた
……?
ドアの外から声
目黒蓮
目黒蓮
差し入れ
机の上に置かれるゼリー、スポーツドリンク、冷えピタ、プリン
何故か山のように袋から出てくる
(なまえ)
あなた
多くない?
目黒蓮
目黒蓮
いや、全然
岩本照
岩本照
逆に足りないかも
私は笑った
(なまえ)
あなた
そんな重症じゃないよ
でも、ドアの向こうにまだ数人いる気配
(なまえ)
あなた
何人いるの?
少しだけ沈黙が続く
目黒蓮
目黒蓮
……別に?
完全に見守り体制




















夜のノック
熱は下がりかけている
寮の廊下は静か
さっきまで何人も来ていたのに
今は足音も聞こえない
コン、と小さなノック
(なまえ)
あなた
……?
私は体を起こした
渡辺翔太
渡辺翔太
入るぞ
翔太くんが入ってくる
手には小さな袋
渡辺翔太
渡辺翔太
これ、追加
(なまえ)
あなた
まだあるの?
渡辺翔太
渡辺翔太
昼は甘いの多かったから、塩分
スポーツドリンクとおかゆ
机に静かに置く
部屋の灯りは少し暗い
カーテンの隙間から月明かり
(なまえ)
あなた
もう平気だよ
そう言って笑った
でも声は少しかすれていた
翔太くんはベッドの横に立ったまま、動かない
渡辺翔太
渡辺翔太
………怖かった
ポツリと言う
私は目を見開いた
(なまえ)
あなた
え?
渡辺翔太
渡辺翔太
倒れた時
昼間のあの瞬間
翔太くんは1番最初に立ち上がれなかった
1歩遅れた、それが悔しかった
(なまえ)
あなた
大袈裟だよ
渡辺翔太
渡辺翔太
大袈裟じゃない
静かな声、でもまっすぐ
渡辺翔太
渡辺翔太
あなたがいない教室、静かだった
心臓が少し跳ねる
でも、私は意味を深く考えない
でも、言葉は胸に残る
翔太くんはそっと手を伸ばし、額に触れる
渡辺翔太
渡辺翔太
熱、下がってるね
距離が近くて静か
廊下の時計の音だけがここに響いている
渡辺翔太
渡辺翔太
みんなも心配してたよ
(なまえ)
あなた
知ってる
少しだけ笑う
渡辺翔太
渡辺翔太
でも、今ここにいるの俺だけ
その言葉は強くない、誇示でもない、ただの事実
部屋の空気が柔らかくなる
(なまえ)
あなた
ありがと
その一言で十分だった
翔太くんは椅子に座る
渡辺翔太
渡辺翔太
寝るまでいる
(なまえ)
あなた
え?
渡辺翔太
渡辺翔太
心配だから
即答、迷いなし
私は布団に戻った
目を閉じる、しばらく沈黙、
でも安心感がある
うとうとし始めたころ、かすかに声が聞こえる
渡辺翔太
渡辺翔太
……ほんとに無理すんなよ
返事はない、もう眠っている
翔太くんは少しだけ微笑んで立ち上がる
そして寝ている私の首筋に
触れるだけのキスをして帰って行く
そのキスは翔太くんしか知らない、秘密のキス
そして、ドアを開ける直前小さく振り返る
渡辺翔太
渡辺翔太
俺が守るから
誰にも聞こえない声
廊下は静か
でも、その言葉は本物

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