あなたside
やっちゃった……
亮平にぃの為だと思ってやった事が、かえって亮平にぃを苦しめてた……
あの顔が頭にこびりついて離れない。
私のせい……?
私のせいで亮平にぃを……余計苦しめてた?
私はただ謝ることしか出来なかった。
それから私は、亮平にぃに拒絶されたくなくて、亮平にぃとの関わりを少なくしてしまった。
これで正解なの……?
亮平にぃ……
わかんないよ……
本当は行きたいよ。学校。
亮平にぃと一緒に行きたい。
でも、今まで亮平にぃを傷つけてきた私がそんなこと言う資格があるのかな……
私はいつもここで止まってしまう。
もう、これ以上亮平にぃを傷つけたくない。
そう思い、いつも口を噤む。
あれから亮平にぃは、もっと顔が暗くなった。
ご飯は……食べてるみたいだけど、毎回食後にトイレに籠っている。
たまに嘔吐く声も聞こえてくるし。
亮平にぃ……私、亮平にぃが心配だよ……
そう言い優しい表情で私を見てくる蓮にぃ。
その綺麗な瞳には……私しか映ってないの?
亮平にぃは……映ってないの……?
今日は蓮にぃと照にぃが休みらしい。
蓮にぃは部活の振り返り休日とかなんとかで。
言いたい。
「行ってらっしゃい」って。
これくらいなら……言っていいよね……?
亮平にぃが……笑った。
久しぶりに見た……亮平にぃの笑顔。
あれは心からの笑顔だった。
……そう思いたい。
亮平にぃは家を出ていった。
その後に、ほかのにぃに達も家を出ていき、家には私と蓮にぃと照にぃだけになった。
私たちは部屋に行った。
にぃに達はすぐ体調のことを心配してくる。
嬉しいんだけど、そんなに毎回聞かれるのは……嫌だ。
亮平にぃ……私、やっぱり分からないよ。
どうすればいいの?
亮平にぃに今朝話しかけた時、すごく嬉しそうな顔してた……
笑ってた。
それなのに、ほっといた方がいいの……?
誰か、答えを教えてよ……
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。