困惑するカフカをおいて話しだすあなたの下の名前
最初はからかってきているのかと思ったカフカも
彼女があまりにもキラキラとした
瞳で見つめるものだから
黙りこくってしまったよう
あなたの下の名前の口が保科副隊長の手によって塞がれる
彼女がもう少し話しを聞くニンゲンで
あればこんな手荒な真似はしなかっただろう
といっても 、
彼女はそういうニンゲンなのだから仕方ない
そういう保科副隊長の顔は真剣なものだった
そう言って立ち去るあなたの下の名前
なんてカフカは思っているが
実際そんな事は一切ない
彼女は他人に興味がないのだ
だからこれも彼女の気まぐれ
そうきっとただの ” 気まぐれ “ なはず 、
そんなことを考えていると
さっき倒した怪獣が何故か蘇っていた
さっきまで驚いていたのが嘘みたいな瞳で
走り出すあなたの下の名前はやはり変わっている
そんなあなたの下の名前の言葉に何も言い返せないのか
キコルは黙ってしまった
私がそういうと目の前の怪獣は
さっき四ノ宮ちゃんにしたように攻撃をしてきた
当たったはずの攻撃は貫通せず 、
跳ね返されてしまったのだ
こんな事を怪獣に頼むのはきっと彼女ぐらいで
此処まで狂気じみているのも彼女ぐらいだろう
暫くすると別の人型怪獣が来て
蘇った本獣を倒してしまった
その後怪我をした四ノ宮ちゃん達は運ばれていった
其処に1人ぽつんと残っていた彼女はこぼす
その言葉は四ノ宮達に向けたものなのか 、
それとも自分にたいしてなのか
それは彼女にしかわからないのだろう 。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!