第68話

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2026/02/19 13:00 更新
朝。
同じ時間に目が覚める。

カーテンの隙間から差し込む光が、
部屋をゆっくり満たしていく。

🐯「……起きるぞ」

🐰「……はい」

眠そうな返事。
それだけで、少し笑ってしまう。



キッチンに立つ背中が、二つ。

コーヒーを淹れる音。
トースターの軽い音。

会話は少ない。
でも、気まずさはない。

🐰「今日、先方との最終確認ですね」

🐯「ああ。午後一だ」

🐰「資料、昨日のままで大丈夫です」

🐯「問題ない」

仕事の話。
いつものやり取り。

それが、
恋人同士であることを忘れさせるほど自然だった。



通勤途中。

並んで歩く。
距離は、ほんの少しだけ空ける。

でも、
歩幅は揃っている。

🐯「……緊張してるか」

🐰「少しだけ」

🐯「なら、十分だ」

🐰「え?」

🐯「慣れきるより、
 少し張ってる方が、
 いい判断をする」

それは、
上司の言葉でもあり、
相棒の言葉でもあった。



午後の打ち合わせ。

役割分担は完璧だった。

前に立つのはグク。
全体を見て支えるのはテヒョン。

言葉を交わさなくても、
次の動きが分かる。

🐰(……いる)

🐯(……任せた)

それだけで、足りる。



会議後。

クライアントが言った。

「お二人の連携、
 本当に安心感がありますね」

テヒョンは、
軽く会釈するだけ。

グクも、
大きく反応しない。

それが、当たり前だから。



帰り道。

夜の街は、静かだった。

🐰「……最近」

🐯「うん」

🐰「特別なこと、
 あんまりないですね」

テヒョンは、一瞬考えてから答える。

🐯「それが、完成だ」

🐯「騒がなくていい」
🐯「証明もしなくていい」

🐯「続いていることが、
 全部だ」

その言葉が、
胸の奥に静かに落ちる。

🐰「……はい」



家に着く。

荷物を置き、
ネクタイを外す。

いつもの流れ。

でも、
その“いつも”が、
何よりも確かだった。

🐰「……明日も、頑張れそうです」

🐯「ああ」

🐯「明日は……
 少し、甘くしてやる」

グクは、思わず笑った。

🐰「約束ですか?」

🐯「約束だ」

その一言で、
胸が少しだけ、あたたかくなる。

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