【主人公の過去】
練習室に入り譜面と向かい合う。
曲はドビュッシー 「月の光」
私の好きな曲で、みんなの好きな曲
ヒナタの子守唄。
リクにいつも指摘されながらも
毎日いっしょに頑張ってきた。
今度のコンクール、リクは音大の試験で
見に来れないらしい。
ごめんって言われたけど、今更気にしない。
毎回来なくていいのにくる2人
でも、2人に聞かせる時が1番幸せだよ?
コンクールの前日
遅くまで付き合ってくれたリクに
頑張るねと言ってバイバイした
コンクール当日、
もう緊張はしない。
おじぎをした時、両親とヒナタに手を振られ
集中力を高めて、席に座る。
私の指で奏でられる、月の光で会場を包む。
幸せな、あっとゆう間の時間だった。
そして、いつものようにトロフィーと賞状を貰う
審査員の方から、アドバイス、感想を受けて
今回のコンクールは終わった。
『詩音凄いじゃん、審査員の人に留学進められてたし~なんか会社と契約?みたいなことも言われてね~!』
ヒナタがこっちをニコニコしながら見て言う
私はヒナタの隣にいることが嬉しいから
どこにも行くつもりなんかなかった。
両親とヒナタで一緒にかえる
この時間が、空気が、私の幸せでもある。
帰りの車の中でボーッと将来を考える。
みんないつか離れて活動するのかな…?
ずっと3人で一緒にいたい。
そう思った時だったーーーー。
ーーーーーーーーーー!!!!!!!!
耳が痛くなる程のクラクション音と
衝撃が私を襲った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。