宗教運動。今は暴動にまで発展し、社会問題にもなっている。
宗教運動の中心者やその周辺の人々などをひっくるめて俗に”過激派”と呼んだりもしている。
心底めんどくさいといった顔で笑う彼女。
でも、感化された、って…
図星を突かれて顔をあげると、言ってみて、と彼女に先を促された。
でも、僕は一瞬ためらった。自分の想像が当たっていてほしくなかったから。
…でも、確かめないと。何かしようにも行動できない。
僕は息を吸って、吐いて、また吸ってようやく口を開いた。
静寂が辛い。でも聞きたくない。
でも聞かないと、何も始まらない気がする。
僕がそう言った途端マオはすごく悲しそうになった。
刹那、このまま泣き出してしまうんじゃないかと言うぐらいの瞳が見えた気がした。
彼女がそう言った頃には、もういつもの気丈な雰囲気に戻っていた。
僕が口を開こうとしたときに彼女が大きく息をついて、僕から出かかった声を制した。
よっぽど疲れていたのだろう。僕の家に来たという安心感もあるのか彼女は僕の返事を待たずして眠ってしまった。
彼女をそっとベッドにのせ、僕はベッドに寄りかかって目を瞑る。
こんな闇夜にもうっすらと響く暴動の声に耳を塞ぐように、僕たちは深い眠りへ落ちていった。
月も星もなく、虫すら鳴かない夜だった。








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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!