ソファに4人がぐでんと寄りかかるように座って、テーブルの上には食べかけのチキンと空になったピザの箱、そして空き缶の山。夜も深まり、テレビの音ももうBGMのよう。
「で、さあ〜」
ハンビンが満腹の腹をさすりながら、チラッとハオを見る。
「この人、俺が“やっ……”って言った瞬間に、“あ、出るな”って顔すんの。マジで、当ててくるの」
「職人かよ」
ギュビンが呆れたように笑う。
「いやもう、ほんと、0.1秒単位でわかる。ハンビナの“あっ”の一音で全部予測できる」
ハオがドヤ顔で言いながら、突然ハンビンの声真似を始める。
「やっ……は、ハオ、そこ……だめ……っ、んっ、だめってばぁ……っっ♡」
「言ってない!!そんな甘くない!!やめて!!!!」
ハンビンがソファのクッションでハオを叩く。
「いや似てるってば、ねぇギュビン、今の似てたよな?」
ハオが笑いながらギュビンに話を振ると、ギュビンが苦笑しつつ、
「似てましたけど……ハンビニヒョンがどっちかっていうと喘ぎ声高いんだなって今日初めて知りました……」
「え!?やめて!?!?」
ハンビンが両手で顔を覆うと、ユジンが口にクッションを押し当てて笑いを堪えきれない。
「ギュビニヒョンも言える立場じゃないくせに〜、俺、知ってるんですよ。“ゆじぃ……やだ……ばか……”とか言うの」
「っ!!!!!!ちがうもん!!!言ってないもん!!」
「言ってる。あとね、腰浮く。めちゃくちゃ浮く」
「ちょ、やめて!?!?!?」
ハオが大爆笑しながらハンビンに寄りかかり、
「ねぇ、どっちがM度高いか選手権する? 1位ギュビンで2位が……ハンビナだね」
「は?いや俺はちがうもん、だって“やってやって”とか言わないし!」
「言ってる!この前も言った!俺が風呂から出てきたら“ハオぉ〜…♡”って」
「やーーーめーーーてーーーっっっ!!!!」
ソファの上でハンビンが暴れると、ユジンがギュビンの肩に顔を乗せてニコニコしながら聞く。
「ギュビニヒョンは、何されるのが好きなんですか?」
「っっっおまっ、おまえほんとに!!!!こっちは年上なんだぞ!?!?」
「でもされる側なのはギュビニヒョンの方でしょ?」
「ぐはぁあぁぁぁ!!!!!!(崩れ落ちる)」
ハンビンが「ギュビン負けたな…」と勝利宣言。ハオが缶チューハイを口に含みながら、
「ユジンの追い込み、ガチのサドだよね。将来怖いわぁ……」
「ハオが言うなって!お前がいちばんエグいんだって!」
「え〜?俺はただ、ハンビンの“本当の顔”を見たいだけ♡」
「うるさいっ!!ほんと黙って!お願い!!」
ハンビンが叫び、ギュビンが耳まで真っ赤にしながらクッションに顔を埋める。
結局、その夜は誰かがトイレに立っても「今なにしてんの?拭いてる?流した?」と実況され、誰かがシャワー浴びると言えば「なんで風呂入ってんの?今夜使うの?♡」と茶化される始末。
でも、バカみたいに笑って、からかい合って、でも絶対に傷つけない。
愛と信頼があるからこその、楽しくてあったかい夜だった。
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「もぉ〜〜!!いっつも俺たちばっかいじられてさあ!」
ソファの上で、ギュビンがふくれっ面。
その隣では、ハンビンも「今日は負けた気しかしない……」と天井を仰いでいた。
「もう…やり返そ。ユジンとハオのモノマネしてやろうぜ」
ハンビンがぽそりと提案し、ギュビンが目を輝かせる。
「いいですね、それ。俺、やりたいことある」
「じゃあまずギュビンね!ユジンのモノマネいきます!」
ハオが乗って手を叩き、注目が集まるなか──ギュビンがソファのクッションを胸に抱えて、ふにゃっとした笑顔で喋り始めた。
「ギュビニヒョン……っ♡今日もかっこいいね?すきぃ♡ちゅーして?」
「ちょっ、えっ、それ俺……そんな風に見えてんの!?」
ユジンが思わず吹き出すと、ギュビンがさらに畳みかける。
「ギュビニヒョン♡ねえ、今日アレ使ってくれる〜?あのギュビニヒョンのひみつ道具〜♡♡」
「ちょっ!!お前それ完全にさっきの流れ引きずってるだけじゃん!!やめてほんと!!」
一同爆笑の中、今度はハンビンが前に出てきて、「じゃあ俺、ハオの真似する」とやる気満々。
「は〜いはいはい、じゃあ俺がハンビナいじったるわ〜、おいで、ほら、よしよし、……で、俺の嫁が何?」
「声似てないからね?」
ハオがすかさずツッコむが、ハンビンはめげずに続ける。
「ん?なに、甘えてきた?……ちょっと舌噛んだらすぐ声出すんだもんな〜、ハンビナ、エロ♡」
「いやでも、それ言ってるの俺じゃなくてお前だからね?ハンビナの再現VTRじゃん、それ」
「え〜〜っでもハオって、ちょっと意地悪な顔してこうやって腰に手回してくるじゃん〜〜!」
そう言いながら、ハンビンがハオの真似でギュビンの腰に手を回すと、ギュビンが「ちょ、それ、俺もだめなやつ!」と笑い崩れる。
「じゃあ今度ユジンの真似してよ」とハオが言えば、ハンビンが息を整えて──
「ギュビニヒョン、俺今日、ずっと我慢してた。ご褒美ちょうだい?」
「やばい……言ってそう……」
「お前絶対言ってる」
ギュビンが頭を抱える一方、ユジンはふにゃっと微笑んで、
「そんな可愛い俺なら、なんでもしてあげるよ?」
と、無自覚に本家を超えてくる。
「出たよ……こういうとこなんだよ、無敵の末っ子!」
「真似できねえのよ!!本物が強すぎて!!」
ハンビンがソファに沈みながら笑い崩れ、ギュビンも「俺ら、絶対勝てねぇ……」と敗北宣言。
でもそんな彼らを見ながら、ハオが笑って言う。
「でも、どっちのカップルもさ、なんか……仲いいよな。下ネタまみれでも、楽しいじゃん」
「うん。ずっとこうしてたいなって思う」
ユジンの一言に、静かに時間が流れる。
しんとした深夜の部屋、笑い疲れてソファに寄りかかる4人。
バカみたいな会話でも、本音が交差して心はあったかくなる。
そして次第に眠気が襲ってきて、ギュビンがユジンの肩にコトンと寄りかかり、ハオがハンビンの手をそっと握った。
「……明日も、みんなでごはん食べようか」
ハンビンの声に、みんなが「うん」と静かに笑った。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!