第93話

ドッキリ大成功
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2025/06/26 02:45 更新
ギュビンとユジンを見送り、片付けも済ませた夜。
ハンビンとハオは、静かになった自宅の寝室に並んで入っていった。

パジャマのボタンをとめながら、ハンビンがぼそっと呟く。

「なんか……あれだね、ちょっと寂しくなるね、帰ると」

「まあね。あの4人の空気、俺もけっこう好きだったな」

ハオが小さく笑って、ベッドに腰を下ろす。
ハンビンはそのままハオの隣に座って、毛布を巻き込むようにして身体を寄せた。

「……ギュビンさ、昔よりだいぶ柔らかくなった気がする」

「うん。ユジンのことになるとね、特に。今日も、デレッデレだったし」

「ユジンもさあ、なんか……すごいな。あの場であそこまで堂々とギュビンに甘えんの、尊敬する」

「で、それ見て照れてるギュビンの顔が……おもろかったなぁ〜」

「わかる〜〜っ!」

2人で笑い合いながら、自然と視線が重なる。
柔らかいまま、吸い寄せられるように、キスをした。

音も立たないくらいの、そっと唇を重ねるキス。
一度離れたあと、またすぐに重なる。

「……ねえ、今日のモノマネのとこ、めっちゃ笑ったけど、あれさ、俺ほんとにそんなに甘ったるい?」

「うん。甘ったるいよ。俺の前では特に」

「じゃあ……ハオは?」

「俺?……俺はさ、ハンビンにしかそういう顔しないから、モノマネされても……なんかちょっと恥ずかしかった」

「ふふ。かわいい」

ハンビンが口元をほころばせて、ハオの頬に指を這わせる。
ハオもその手を包みこむように握りながら、低く呟いた。

「今日、たくさん笑ったけど、今が一番幸せかも」

「……俺も」

ベッドに横になり、互いの温度を確かめるようにそっと抱き合う。

「ね、ハンビナ」

「ん?」

「久しぶりにさ……何もしないで、ただギュッてして寝よっか」

「……うん。いいよ」

何も言わず、何も足さず。
ぴったりと重なった体温のなかで、深く息を吐いた。

隣の部屋ではきっと、ユジンとギュビンも同じように静かな夜を過ごしているんだろう。
そう思うと、なんだか胸の奥がぽかぽかした。

眠りに落ちるまで、何度も何度も、肩を抱きしめる腕に力を込める。

2人でいるだけで、幸せだって思える夜。
そんな日常が、これからもずっと続いてほしいと願いながら──
___

朝の7時半。
鳥のさえずりと、少し冷えた秋の風が窓の隙間から入り込む静かな朝。

ハオがそっと身を起こし、隣でまだ眠そうに目をこするハンビンの耳元で囁いた。

「ビニ、起きて。ねえ、今日ドッキリやるんでしょ?」
「……ん、ねむい。けど……やる。ギュビンとユジン、寝起きで驚かせよ?」

2人は小声でニヤリと笑い合い、ハンビンがそっと寝室の窓を開ける。
その窓は、ギュビンたちの家のリビングの真向かい。
何も知らずに寝てる2人に聞こえるようにと、ハオがわざとらしく甘ったるい声を出し始める。

「ハンビナ……もう、朝なのにそんなこと言って……♡」
「だって、ハオが可愛すぎてさぁ……我慢できないかも……♡」

ハンビンもなりきって、わざと息を漏らすような声で芝居を続ける。
そのまま2人で布団をバフバフさせたり、わざとキス音を立てたり、軽くベッドをきしませてみたりして――
完璧に“それっぽい音”を演出。

もちろん、やってることはただのコントだ。

一方その頃、隣の家。
ギュビンは目を覚ましたばかりで、まだぼんやりした意識の中で何かを聞いた。

「……ん? これ、ハンビンヒョンと……ハオヒョンの声じゃ……?」

ユジンも寝返りを打って耳を澄ませる。

「……え? え? え???」
「いや、ちょ、まって、これマジなやつ!?朝から!?」
「てか窓開いてんじゃん!?バカなの!?近所迷惑だよ……!」

顔を真っ赤にしたギュビンが布団をかぶり、ユジンは枕を持って頭を押さえる。

そのまま5分ほど続いた後――
突然、隣の窓からハンビンの声が大きく響いた。

「おーい、ギュビーン!ユジーン!おはよーー!!」
「ドッキリ大成功〜〜〜♡♡」

ユジン「…………はぁ!?!?」
ギュビン「……ちょっと2人とも、マジで朝からふざけんな……!」

ふてくされた顔のギュビンが窓から顔を出すと、向かいの窓には笑い転げてるハオとハンビン。

「なにしてんすかほんとに……!」
「ドッキリか〜い……心臓に悪い……」

するとユジンが、ふいに笑いながら「でも、まあ……可愛かったから許す」と呟き、ギュビンが思わず「それは俺が言う台詞だろっ」と拗ねる。

ハオが最後に一言、「なんだかんだ、平和な朝ってことで♪」と笑って、4人の声が静かな朝の街に響き渡った。

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