第12話

いじわる
9,180
2021/01/14 14:36
「見たか、あいつの顔」



ネビル・ロングボトムが医務室へ連れていかれた後、ドラコが何かを手に持ち言った。



また何をする気かしら…。



「この思い出し玉を握れば、尻もちのつき方を思い出しただろうに」




お得意のニヤニヤ顔。




「ちょっと、」




「返せよ、マルフォイ」




ポッターが、私の言葉に被せて言ってきた。




「嫌だね、ロングボトム本人に見つけさせる」





「ドラコ、意地悪はやめてちょうだい」




「ふんっ。」




そうやって、ドラコは箒に乗って空へとんだ。



「どうしたポッター!着いて来れないのか?」




「もう!!バカ!!!」




「ダメよ、ハリー!フーチ先生に言われたでしょ!!…はぁ、なんておバカさんなの?」




ハーマイオニーが止めたが、ポッターまで飛んで行ってしまった。



「返さないと、その箒から振り落とすぞマルフォイ!」




「やられるものならやってみろ」




ドラコは、箒に乗ったまま一回転した。




「屋根に置こうか?」




そうしてロングボトムの思い出し玉を投げた。





「ドラコ!!降りてきなさい!降りてこないなら私が行くんだから!!!」



「あなた!あなたもなの?!」




ハーマイオニーが、自分の名前を呼んでくれたのにも気づかないくらいのスピードで私は箒に乗って空へとんだ。



「あぅ…あ…」



…こ、怖い




「ほ、ほらドラコ、お、降りてきなさっ…」



あ、落ちる。





だけど、体に痛みはいつまで経っても来なかった。





「ったく。何をしてるんだ、君は。」





「も、元はと言えばあなたがっ…!」




ドラコか受け止めてくれたおかげで怪我をせずに済んだ。




「…無事で良かった。君に、あんなことをさせるなんて。僕が悪かったよ」




「いいえ、私もごめんなさい。」









ドラコが投げた思い出し玉は、無事にポッターが取ったみたい。




「ハリー・ポッター。私に付いてきなさい。」




マクゴナガル先生にポッターは連れていかれた。




お叱りを受けるのだろう。





お叱りなら、ドラコと私も受けるべきなのでは…?




「これで、ポッターは退学だ」




「はぁ。あなたってば本当に懲りないわね」





プリ小説オーディオドラマ