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第5話

境界線
568
2022/11/26 11:05
場面転換までは1年前のエモ旅以前のお話です。


桃 side
大吾
道枝、ちょっといい?
駿佑
あ、はい


雑誌撮影の待機中今日の俺のペア、大吾くんに呼ばれた
なんだろうと思うながらついて行くと誰もいない会議室へ
駿佑
大吾くん?
大吾
単刀直入に言うけどあんたさ、長尾と付き合ってるやろ
駿佑
..はい?

ちょっとまってなんで大吾くん知ってんの


もちろん口を滑らせて言った覚えもないし、勘づかれないようほどよく距離をとっていたくらいだ

..もしかして、長尾が?いや、そんなわけないか、

大吾
おーい、まぁあんたが言いたいこともわかるわ
大吾
なんで知ってるんか、ってとこやろ?
駿佑
はい、俺言いましたっけ?
大吾
いや?道枝からも長尾からも聞いてへん


やっぱり長尾でもなかった、ごめん長尾一瞬でも疑って。

ってそうじゃない、じゃあなんで知ってるんや?
大吾
聞いてなくてもだいたい態度とか視線とかでわかるわ

駿佑
すんません、それでなんですか?
大吾
いや、めっちゃ言いにくいんやけどさ


会議室に来た時点でみんなには聞かれたくない内容であることは察しがついていた


もしかして別れろって言われるんかな、
大吾
道枝、ちゃうで別れろとかいう話じゃなくて

大吾
あの..さ、そういう行為、あるやん
駿佑
.....はい、?


何を言い出すんだろうかこの先輩は


別れろとかいう話じゃないと聞いて安心したのもつかの間
大吾
あんま言わせんとって、一応確認やから
大吾
もう、したん?
駿佑
んなっ、なんでそんなこと!

いくら信頼する先輩であるとはいえ性事情まで話したくはない

大吾
もうしたんやったらいいんやけど、さ
大吾
もしまだやったら、お互い20歳になるまで控えてほしくて
駿佑
..なんでですか?

付き合って3ヶ月で手を出すのも気が引けて未だキス止まりでいる

駿佑
まだ、ですけど
大吾
まぁ見てる感じ道枝が彼氏ポジっぽいし
大吾
手出したくなるかもしれんけど、お願いな

何となく理由を言いたくなさそうな大吾くんを見て深掘りしないでおくことにした
駿佑
、わかりました
駿佑
キスは?いいんですよね?

もうしてしまったし恋人としてキスくらいはさせてほしい、という思いを含め聞いてみた
大吾
キスはいいけど、それで抑えられんくならんようにな
駿佑
あ、はい

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そんな会話も懐かしく、俺たちは20歳になって2ヶ月がたった
謙杜
..っち、みっちーってば!
駿佑
あ、ごめん長尾、ぼーっとしてた
謙杜
もう、みっちーのあほ、知らん

なんて言ってぷりぷり怒りながらも俺の胸に顔を埋める長尾
駿佑
ごめんって長尾、こっち向いて?
 
謙杜
ん、

何となく20歳になってすぐがっつくのも、したかったみたいで気が引けて


まだ10代だった俺は両手でも数え切れないほど抱きたくなる
ときもあったけど、大吾くんに言われた通りずっとキス止まりでいた
謙杜
..はよちゅー、してや
駿佑
っ、

こっちの気も知らない長尾は上目遣いで煽ってくる



要望通りキスをして長尾に察しられないようさっきまでの考えを脳裏にしまった



すると
謙杜
ん、ふふっ、
駿佑
?何笑ってんの?
謙杜
気づいてないとでも思ってるん?笑
駿佑
気づいてない?何のこと?

長尾の言ってることがわからず少し強く聞き返す
謙杜
みっちー、ずっと我慢してるやろ笑
謙杜
俺も、ずっとみっちーとしたかってんで?

駿佑
は?知ってたん?!
謙杜
知ってるも何も、見てたらわかるんやって!
謙杜
だってみっちーさ、ちゅーしたあと絶対俺のこと抱きしめるから

抱きしめる?俺が?


...確かにそうだ、長尾の言った通りさっきも驚いて長尾から離れただけで無意識のうちにしていた

謙杜
最初はなんでなんやろう、ハグするの好きなんかな?って思っててん
謙杜
けどみっちー、キスしたあと絶対ハグしてくるなって気づいて

自分の知らない自分を長尾に語られるのは少し歯がゆい

駿佑
でもなんでそれが俺がしたいって考えてることと繋がるん?
謙杜
...俺さ、大吾くんに聞いてん
駿佑
大吾くん?
謙杜
みっちーが手出してくれへんって、この前言ってん、
謙杜
そんときにみっちーがキスしたあとハグしてくるってことも言ったらさ、大吾くんが


謙杜
「みっちーは多分我慢してんねん、謙杜に手出さんように」って
謙杜
そのあとに大吾くんが俺が20歳になるまで待てって言ってんって言ってたから、


めっちゃダサいやん、俺
結局長尾に知られてるし、隠せてすらない

駿佑
ごめん、今まで黙っとって
謙杜
みっちー、謝らんとって?
謙杜
俺、大吾くんから聞いたとき嬉しかったんやで?
駿佑
嬉しかった?
謙杜
大吾くんから聞くまで俺ばっかりしたいんかなって落ち込むときもあったし
謙杜
でもみっちーは大吾くんの言われた通りにしててんな、俺が好きになったみっちーやなって
駿佑
...長尾、


思わず愛おしさが込み上げてたまらず強く抱き寄せる
謙杜
みっちー、大好き

ストレートに伝えられる素直さに羨ましくなったりもするけど俺だって少しくらい男らしいところを見せたい

駿佑
謙杜、
駿佑
俺は愛してるで
謙杜
っ、!
謙杜
あほっ、急には、ずるいやん、


さっきまでの素直さはどこへやら


顔を真っ赤にして俺の胸に頭をグリグリと押しつける長尾
駿佑
可愛いな、謙杜


愛おしさのあまり緩む頬のまま笑いを含めた声で言うと
謙杜
なぁ、あかんって、
謙杜
急にそんなにデレみっちーなったらむり、
耐えられへん、恥ずかしいやん!


顔を上げて胸を優しく叩いてくるけど顔が赤いのが可愛い、としか言えない


機嫌が良くなった俺は少しイジワルに
駿佑
みっちー、な?
謙杜
ぅ、いじわるせんとってや、
謙杜
...っ、しゅん、すけ、


逃れられない雰囲気を感じたのかようやく発した俺の名前

駿佑
...可愛い、謙杜、もっと呼んで

チュッ、と色々なところにわざと音を立ててキスを落とす

謙杜
っ、ん、恥ずかしいから、
駿佑
謙杜、いい?


潤んだ瞳で見つめられて可愛い声を控えめに出されると長年の我慢からか、抑えが効かない

謙杜
..いいから、駿佑っ、優しくしてな、?
駿佑
っ、煽ってるやろ
駿佑
優しくはできひんと思うけど一緒に気持ちよくなろうな、謙杜

頷いてベッドまで連れていって、と言うかのように首元に回された腕

我慢できてはなかったけど頑張ったな俺、なんて思いとともに姫抱きをしてベッドへ向かう
視覚に暴力的な姿と聴覚に暴力的な声を聞いて優しくできないことを知る由もないまま

END
久しぶりの更新でごめんなさい😭🙏🏻💭
いつの話?って感じですが🥺笑


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