場面転換までは1年前のエモ旅以前のお話です。
桃 side
雑誌撮影の待機中今日の俺のペア、大吾くんに呼ばれた
なんだろうと思うながらついて行くと誰もいない会議室へ
ちょっとまってなんで大吾くん知ってんの
もちろん口を滑らせて言った覚えもないし、勘づかれないようほどよく距離をとっていたくらいだ
..もしかして、長尾が?いや、そんなわけないか、
やっぱり長尾でもなかった、ごめん長尾一瞬でも疑って。
ってそうじゃない、じゃあなんで知ってるんや?
会議室に来た時点でみんなには聞かれたくない内容であることは察しがついていた
もしかして別れろって言われるんかな、
何を言い出すんだろうかこの先輩は
別れろとかいう話じゃないと聞いて安心したのもつかの間
いくら信頼する先輩であるとはいえ性事情まで話したくはない
付き合って3ヶ月で手を出すのも気が引けて未だキス止まりでいる
何となく理由を言いたくなさそうな大吾くんを見て深掘りしないでおくことにした
もうしてしまったし恋人としてキスくらいはさせてほしい、という思いを含め聞いてみた
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そんな会話も懐かしく、俺たちは20歳になって2ヶ月がたった
なんて言ってぷりぷり怒りながらも俺の胸に顔を埋める長尾
何となく20歳になってすぐがっつくのも、したかったみたいで気が引けて
まだ10代だった俺は両手でも数え切れないほど抱きたくなる
ときもあったけど、大吾くんに言われた通りずっとキス止まりでいた
こっちの気も知らない長尾は上目遣いで煽ってくる
要望通りキスをして長尾に察しられないようさっきまでの考えを脳裏にしまった
すると
長尾の言ってることがわからず少し強く聞き返す
抱きしめる?俺が?
...確かにそうだ、長尾の言った通りさっきも驚いて長尾から離れただけで無意識のうちにしていた
自分の知らない自分を長尾に語られるのは少し歯がゆい
めっちゃダサいやん、俺
結局長尾に知られてるし、隠せてすらない
思わず愛おしさが込み上げてたまらず強く抱き寄せる
ストレートに伝えられる素直さに羨ましくなったりもするけど俺だって少しくらい男らしいところを見せたい
さっきまでの素直さはどこへやら
顔を真っ赤にして俺の胸に頭をグリグリと押しつける長尾
愛おしさのあまり緩む頬のまま笑いを含めた声で言うと
顔を上げて胸を優しく叩いてくるけど顔が赤いのが可愛い、としか言えない
機嫌が良くなった俺は少しイジワルに
逃れられない雰囲気を感じたのかようやく発した俺の名前
チュッ、と色々なところにわざと音を立ててキスを落とす
潤んだ瞳で見つめられて可愛い声を控えめに出されると長年の我慢からか、抑えが効かない
頷いてベッドまで連れていって、と言うかのように首元に回された腕
我慢できてはなかったけど頑張ったな俺、なんて思いとともに姫抱きをしてベッドへ向かう
視覚に暴力的な姿と聴覚に暴力的な声を聞いて優しくできないことを知る由もないまま
END
久しぶりの更新でごめんなさい😭🙏🏻💭
いつの話?って感じですが🥺笑
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。