前の話
一覧へ
次の話

第1話

#1
27
2024/07/27 16:32 更新
東京の郊外・天鵞絨(びろうど)町には

小劇場が立ち並ぶ一角があり、

そこは「ビロードウェイ」と呼ばれている。

ビロードウェイに専用劇場を構える劇団

「MANKAIカンパニー」
天野刹那
ここが…劇場……
支配人
あの〜うちの劇場になにか御用
ですかね〜?
天野刹那
あっ、すみません!
私、天野刹那っていいます!
MANKAIカンパニーの
監督になりたくてっ!
支配人
監督に…ですか…?
もう既に総監督はいるんですが…
天野刹那
分かってます!
候補生でもなんでもいいので
置いてもらえませんか!
支配人
なにか事情があるんですか…?
天野刹那
私……家を追い出されたんです……
行くところがなくて、監督になれば
置いてもらえるんじゃないかって
思って……
古市左京
で、連れてきたって訳か
支配人
さすがに見捨てるのは残酷で〜……
皆木綴
でも、監督はもういますし
どうするんすか?
茅ヶ崎至
新団員として迎えるには
女性だとね……
伏見臣
まずは事情を聞くことじゃないか?
決断を急ぐといいことないぞ
古市左京
伏見の言う通りだ
なんでうちなんだ?
他にも劇団はあるはずだ
天野刹那
小学生の時に母に連れられて
初めて見た芝居がMANKAIカンパニー
だったんです……
摂津万里
小学生の時っつーことは
まだ俺たちじゃねぇな
初代がやってた頃だろ
卯木千景
それで、なんでまた
追い出されたって?
天野刹那
数年前に母が病死して……
そこから父の態度が一変したんです…
毎日女の人連れ込んでお酒飲んで……
暴力なんて当たり前でした……
瑠璃川幸
それなら、追い出されたより
逃げてきたの方が正解なんじゃないの?
天野刹那
いえ……なんとか耐えていたんです…
でも昨日の夜、母の話を持ち出したことで
怒られてしまって……
皆木綴
なんでお母さんの話しただけで
そうなるんだ?
天野刹那
病弱な母が気に入らなかったんだと
思います。父は大柄ですから……
私はどことなく母に似ているのでしょう…
それで………
佐久間咲也
そんなの、八つ当たりじゃないですか!
三好一成
気に入らなかった、なんて
理由で殴られたら
たまったもんじゃないね……
泉田莇
なんか……分かる気がする……
天野刹那
え…?
泉田莇
俺は家が特殊だから
同じとは言えねぇけど
親父とは何回も喧嘩
してるし……
古市左京
姐さんは病弱だったな……
そう考えると確かに似てるな……
泉田莇
母さんは色白で細かったからな…
尚更だ…
七尾太一
あーちゃん、大丈夫っすか…?
泉田莇
あぁ…
天野刹那
なんかすみません……
思い出させてしまったようで…
泉田莇
いや、いい……
どの道向き合わなきゃいけねぇからな
天野刹那
同い歳くらいなのに
ずいぶんと違うものですね……
泉田莇
あんたいくつなんだ?
天野刹那
私は17歳です
今高校2年生で……
瑠璃川幸
じゃあ、オレや椋と同じだね
向坂椋
同い歳なのにすごく
大人っぽいね
天野刹那
私は早くに亡くなった
母の代わりでしたから
古市左京
……監督にはなれねぇが
候補生って言うなら話は別だ
男ばかりの寮生活だ
むさ苦しいがそれでもいいなら……
天野刹那
本当ですか!?
良かった……
高遠丞
おいっ!
大丈夫か!?
雪白東
眠ってるだけだね
安心したんだよきっと
御影密
目が覚めたらマシュマロあげる……
月岡紬
食べてくれるといいね
御影密
ん……
皇天馬
なんか妹ができたみたいだな
茅ヶ崎至
愛されルートまっしぐらかな
卯木千景
みんな、なんとなく親近感を
感じてるね
雪白東
うちの劇団は色々と特殊だからね
皆木綴
とりあえず、今は寝かせてあげましょう
斑鳩三角
おきたらさんかくあげる〜
月岡紬
目が覚めた瞬間に色々もらえるから
びっくりしないといいんだけど……
シトロン
オォ〜新カントクネ〜
ワキワキするヨ!
皆木綴
新監督じゃなくて
候補生な
有栖川誉
不安の方が大きいだろうが
MANKAIカンパニーを選んだのは
彼女にとって最善だったかもしれないね
月岡紬
そうですね

プリ小説オーディオドラマ