陸奥国からドクツルタケとドクタケの計画を阻止をしつつ夕河の心を掴んだ数週間。とある放課後、中庭で生物委員会委員長代理の竹谷八左ヱ門と夕河が何かを作っていた。
トンテンカンテン、トンテンカンテン。
休憩に入ろうとした時、お馴染み乱太郎達が近寄って来た。
八左ヱ門が説明するとしんべえがなんとも言えない表情を浮かべる。
しんべえは三治郎達が小屋にぎゅうぎゅう詰めになった生物委員会メンバーを想像した。
用具委員会の仕事終わって夕河は余った時間で他の委員会を手伝うことにした。そして偶然に生物委員会が小屋の製作をしていたので一緒に手伝うことにした。最初は全員で作業をやっていたのだが途中で伊賀崎孫兵のペットが逃げ出し、次に一平がトンカチで謝って指を打ち、それから孫次郎が角材に躓きノミをぶちまけ、三治郎に刺さりかけ、さらに虎若が釘に袴を引っ掛け、お尻から破けてえらいことになり、最終的に八左ヱ門先輩と自分だけになってしまったと説明する。
夕河のやりとりに八左ヱ門はふっ笑う。
トンテンカンテン、トンテンカンテン。
乱太郎達と別れてから再び作業開始。しかし乱太郎達は気がついていた。いくら夕河が手伝っているとは言え八左ヱ門はかなり疲れている様子。
乱太郎達は足早には組の教室に急いだ。
そう言うと三治郎は手を組み目をキラキラさせる。
乱太郎としんべえに言われ流石にまずいと思い三治郎は真剣に考える。
乱太郎達はひっくり返った。
木下鉄丸先生。普段は青筋を立てた怖い顔の先生だが本当はとても生徒思いの優しい先生。三治郎と乱太郎達がことを告げる。
トンテンカンテン、トンテンカンテン。
一方で八左ヱ門と夕河はあと少しで完成までこぎ着けていた。
夕河はもう使わないであろう道具を集めて用具倉庫へ向かおうとしたら木下先生と三治郎と偶然やって来た留三郎と乱太郎達がやって来た。
裏陰に道具を集めて返しに行こうとしていたら呼んでいたから顔出した。
夕河と八左ヱ門が断るが木下先生はトンカチを奪うように取る。
八左ヱ門はありがたさで涙を浮かべた。木下先生は優しく肩に手を置いて夕河を見ていた。
夕河は一瞬だけ氷みたいな青みが強いアースアイに変わり、木下先生が生物委員会が使う小屋を作ったのに壊す未来が見通していたの気づいた木下先生は夕河の頭を優しく置いた。
夕河は心配をしており、八左ヱ門は近くの石に腰を下ろす。乱太郎達が歩み寄る。
八左ヱ門と乱太郎ときり丸としんべえと食満兄弟と三治郎は木下先生を見る。
そして……。
バシィィィイン!!!バキッ!
悲劇は起きてしまった。木下先生が張り切りすぎて思いっきりトンカチで釘を打った途端、板に大きな亀裂が入り、そのまま崩れてしまったので破壊神眼で見通した百発百中した。
乱太郎達がすっ転んだ。
木下先生が誤魔化す様に笑う。そして甘い性格をしている竹谷と夕河は苦笑いした。
留三郎を含めてその場にいた全員は手伝う事になり、終わらせて竹谷と夕河は疲れ果てていたから留三郎は背負って部屋に運んで行き、竹谷はそれを見てにこやかに笑っていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。