第14話

ソンホ×リウ
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2026/06/03 07:00 更新

ソンホが入社して三年目の春。

営業部のオフィスはいつも通り慌ただしかった。
ソンホ
ソンホ
リウ、大丈夫?
ソンホが声をかけると、デスクに座るリウは小さく肩を震わせた。
リウ
リウ
……大丈夫です
そう答えたものの、その顔はまったく大丈夫そうではなかった。

リウは半年前に入社したばかりの新人社員だった。

真面目で努力家。誰よりも早く出社し、誰よりも遅くまで仕事を覚えようとしている。

そんな彼が今日、大きなミスをしてしまった。

取引先へ送る予定だった重要な資料のデータを間違えて提出してしまったのだ。

幸い大きな損害にはならなかったが、上司から厳しく注意を受けていた。
リウ
リウ
俺、本当に向いてないのかもしれません
誰もいない休憩室で、リウはぽつりと呟いた。

ソンホは向かいの席に腰を下ろす。
ソンホ
ソンホ
そんなことないだろ
リウ
リウ
でも……
ソンホ
ソンホ
半年で完璧にできる人なんていないよ
リウは黙った。

ソンホは少し笑う。
ソンホ
ソンホ
俺なんか一年目、取引先の名前間違えてメール送ったことある
リウ
リウ
え?
ソンホ
ソンホ
それも社長宛
リウの目が少し丸くなる
リウ
リウ
それやばくないですか?
ソンホ
ソンホ
めちゃくちゃ怒られた
思わずリウが吹き出した。

その笑顔を見て、ソンホはほっとした。
ソンホ
ソンホ
失敗したら次に活かせばいい。それだけ
リウ
リウ
……ありがとうございます
ソンホ
ソンホ
困ったら頼れよ。先輩なんだから
その日から二人の距離は少しずつ縮まっていった。

仕事終わりに一緒に帰ることも増えた。

昼休みにコンビニへ行ったり、休日に映画を見に行ったり。

最初は緊張していたリウも、いつの間にか自然に笑うようになった。
リウ
リウ
ソンホ先輩
ソンホ
ソンホ
ん?
リウ
リウ
先輩といると安心します
何気なく言われたその言葉に、ソンホの心臓は少しだけ速くなった。

気付いた時にはもう遅かった。

いつからかソンホはリウを後輩としてだけ見られなくなっていた。

仕事中も。

帰宅中も。

休日も。

気付けば考えているのはリウのことばかりだった。






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