ソンホが入社して三年目の春。
営業部のオフィスはいつも通り慌ただしかった。
ソンホが声をかけると、デスクに座るリウは小さく肩を震わせた。
そう答えたものの、その顔はまったく大丈夫そうではなかった。
リウは半年前に入社したばかりの新人社員だった。
真面目で努力家。誰よりも早く出社し、誰よりも遅くまで仕事を覚えようとしている。
そんな彼が今日、大きなミスをしてしまった。
取引先へ送る予定だった重要な資料のデータを間違えて提出してしまったのだ。
幸い大きな損害にはならなかったが、上司から厳しく注意を受けていた。
誰もいない休憩室で、リウはぽつりと呟いた。
ソンホは向かいの席に腰を下ろす。
リウは黙った。
ソンホは少し笑う。
リウの目が少し丸くなる
思わずリウが吹き出した。
その笑顔を見て、ソンホはほっとした。
その日から二人の距離は少しずつ縮まっていった。
仕事終わりに一緒に帰ることも増えた。
昼休みにコンビニへ行ったり、休日に映画を見に行ったり。
最初は緊張していたリウも、いつの間にか自然に笑うようになった。
何気なく言われたその言葉に、ソンホの心臓は少しだけ速くなった。
気付いた時にはもう遅かった。
いつからかソンホはリウを後輩としてだけ見られなくなっていた。
仕事中も。
帰宅中も。
休日も。
気付けば考えているのはリウのことばかりだった。
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切る場所変ですいません
次は明日の投稿で付き合うところです!














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。