含みのあるきりやんの言葉に首を傾けながら 、 あなたの下の名前は周囲に目を向ける 。
とても大きいとは言えない部屋 。
割れたシャンデリアのガラスが散らばり 、 その上を誤って歩いたのか血がこびり付いている 。
斜めにテーブルクロスがかけられたテントのような空間にはボロボロの本を手にする無表情の少年 。
豪華そうなグランドピアノのイスに腰掛け蓋の上に頭を乗せて眠る 、 ふあふあの茶髪の少年 。
あなたの下の名前と面識のあるギザ歯の少年は後ろを向いたまま床に座っており表情は見えない 。
誰もあなたの下の名前やきりやん 、 きんときの方を見ることなく 。
ぐい 、 と彼女の手を引くきりやん 。
きりやんの視線の先にはレースカーテンで仕切られ先の見えない空間 。
少し考えたあと 、 きんときは言った 。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。