案外分かるもので
少し悩んだ末に直ぐあなたの活動上での名前は気がついた。
頷きを返して、相手が戌亥とこだと分かった瞬間、
こっちもびっくりするほどに、目を見開いて驚いた。
あからさまにしどろもどろとした動きで
手を左右に振りながら照れ隠しをしている。
方向を見失った目が、走るように慌ただしく動いて
目にかかっている前髪が瞬きと共に動く。
色々聞きたいことはあるけど…
エプロンを取った姿は
高校の制服さが満載で、しっしくりくるように似合っている。
スカートは短くなくて、膝くらいの長さ。
清楚な雰囲気が漂うカッターシャツには、慣れた手つきでリボンを付ける。
少し焦ってくる彼女。
この制服、どこかで…
点と点が繋がった。
サラちゃんが午前授業で連絡できたのと同じ様に
あなたの活動上での名前も午前で終わったからバイトに行けている。
自分から考えても、真面目だなと思う。
軽く作ったレモンティーを一口飲んで、答える。
こんなに仕事熱心なら、他の人達も嬉しいだろう。
自覚していなくて、少し頬が赤くなった。
でも、すごく美味しそう。
不意に思った
そう言って差し出したメニュー表に、『new❕』と書かれたページがある。
上から順に、「カプチーノ」「エスプレッソ・コンパナ」「エスプレッソ・マキアート」
ふと感じたことは、どれも喫茶店にしては定番で、大体は飲んだこともあるくらい。
確かに、メニュー表にはコーヒーはひとつしか無かった。
それもこの店オリジナルの考えが使われていた。
その後は凄く話が弾んだ。
豆のこと、その他のメニューや商品の開発
何より、楽しく話しているあなたの活動上での名前の姿が
あまりに笑顔で、こっちも嬉しくなるぐらい。
後に、休憩が終わり仕事に戻る。
その日の夜嗜んだコーヒーは、少し苦くて、美味しかった。















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。