裏ボスを倒したあなた。
しかし、体の状態は最悪。
結界を体に張り、何とか血を止め、毒の回りを遅らせようとするが
症状が悪すぎて対処し切れない
震える手で携帯を出し、何とか探偵社に連絡しようとした
その時
バァン!!と勢いよく扉が開き
誰かが走り寄ってくる
あなたの体を抱き起こし、懸命に声をかける
乱歩は涙を目に溜め、必死に言葉にする
ぼろぼろと、乱歩の緑色の目から、大粒の涙が流れ、
あなたの頬に落ちる
乱歩の涙で顔を濡らしながら
薄く力なく微笑むあなたの、その頬を、一筋の涙が流れる
息も声も弱くなる一方。
そして
ふっ、と目を閉じる
乱歩の涙の粒が、とめどなくあなたの額に落ち、その白い肌を濡らしていく。
もう目を閉じ、無意識の海へ溺れたあなたは、きっと、額に落ちる涙を、冷たいとすら感じていないんだろう。
ただ、救いあげてくれる、その時を、待つだけーー
プルルルルルッ
電話の向こうから、酷く焦ったような、苦しいような、そんな声がする
それすらもう、乱歩には、ただの雑音にしか聞こえない。
ガチャッ
乱歩は、涙を流し、時折小さく呻き声をあげながら、
それでも、懸命に、血を止める
自分の服が汚れるとか、足が痺れるとか、そんな事を考える余裕は彼には無い
一刻もはやく、この流れる紅い血を止めて
あなたに、おかえりって
あなたが、ただいまって
ただそれだけ
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!