ラインハルトさんに再会した日から一週間が経った
私はずっとあの日のことが忘れられずにいた。もしかするとあれは演技ではないのかと疑ってしまう
だって、絶対私のことを忘れるような人じゃないから…。
今日はちょっと遠出をして王都の中心に来ている。やはり私の住んでいる場所とは違い、沢山の人が行き来しておりどこかから聞こえてくる音楽に身を乗り出す人がいて、活気に溢れていた
私は人混みの中、方向感覚を失いそうになりながらも懸命に目的の場所に向かった
王都の中心に着いてから数十分歩いた末ようやくたどり着いたところは野菜や花、果物など様々な種が売っているお店
やっぱり王都は種類が豊富だな〜!
お店に入り周りを見渡すと地元には無い種が所狭しと並べられている。
私は悩みに悩んで6種類の種を選んだ
その種が入っている袋を取り、お店の人に渡し会計を済ませた
私が王都の中心に来た理由はたったそれだけ。最近、植物を育て収穫することにハマっていて、そろそろ新しい種類のが欲しいと思い今日買いに来た。
すぐに用事が終わったので、せっかくだからいろいろなお店を見て回った
ーその帰り
竜車に乗って揺られている時だった。
急に大きな揺れが襲い、私はイスから落ち尻もちをついてしまった
何事かと皆がザワザワしだし、外に出る人もいた。
すると外から
と叫び声が響いた
こんなところに魔女教っ?!
その叫びを聞いて竜車に乗っていた人がどんどん外へ飛び出していく
私も外に逃げようとするが、さっき椅子から落ちた時足を捻ってしまい走ることが出来ない
どうしようっ。見つかったら絶対殺されるっ!
もう皆逃げたらしく中にいたのは自分一人だけ
やっと外に出られたと思い竜車から飛び降りた瞬間また同じ足を捻ってしまった
い、痛い。これじゃ痛すぎて立てない…
痛みを我慢し、助けを求めるが周りには誰もおらず、その代わり少し遠くに黒い人影が数人歩いていた
私はその黒い人影に気づいてもらいたくて大きく手を振った
お願いっ!気づいて…。
その人影の一人が気づいたのかだんだんとこちらに向かって来ている
良かった…。でも何で走ってきてくれないんだろう…
私は疑問に思いながらもその人影がこちらに着くのを待った
その人は全身黒いローブで身を包み隠しており顔もよく見えない
私はそれを見た瞬間、危険を察知した
この人、もしかして魔女教徒…?
そう。そこに居たのは私が小さな頃から母によく聞かされていた魔女教徒の見た目にそっくりだった
どう、しよう。このままだと確実に殺される…!
私は死を覚悟した。だけどまだ死にたくないと思い逃げることを決心した
早く、逃げなきゃっ。ここで絶対死にたくない。
私は必死の思いで立ち上がり片方の足を引きずりながらも懸命に歩いた
ふと、私は後ろを見たら黒い影が走ってきている。そしてその手を上にかざしてそこには氷の塊が浮いていた
何あれ…。もしかして魔法作ったんだよね…?
黒い影は上げていた腕を前に振り、宙に浮いていた氷の塊がこちら目掛けて迫ってくる
それは見事に私の背に命中した
激しく叩かれたような痛みが襲いその場に倒れ込む。けれど、私は諦めない。
私は再び、ゆっくりと起き上がりー
私は腹部に衝撃が走った。何が起きたのか下を見ると。
嘘、でしょ…?
自分のお腹に氷の槍が貫いていた
そこから生暖かい赤黒い液体が流れ出ている
嫌、だ。嫌、そんな。いや、いや、、
私は顔を上げるといつの間にかさっきの黒く憎い影が立っていて、剣を振りかざし、完全に私を殺そうとしていた
皆、ごめんね。大好きだよ
私はその影が剣を振るうのを見て、死を受け入れようと目を閉じた瞬間、目の前から何かを斬る音がしたので見ると、切れた腕から血を流して立っている影と、
その隣には白い服に身を包んだ紫色の髪の男性が剣を振るっていた












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!