私は今、キーフリーが
言った言葉が忘れられない。
『 やっぱり僕たち、運命だと思う 』
『 やっぱり僕たち運命だったんだよ 』
まだ二人とも、小さかった頃。
2人の間での遊びのルーティーンは
いつも決まりきっていた。
一緒に魔法のお勉強。
花畑で鬼ごっこ。
走って、転んで、笑って。
木の枝を剣に見立てて戦闘ごっこ。
花冠を作って遊ぶ。
そして疲れたら花達に囲まれて眠る。
振り返って笑うと、キーフリーは
少し息を切らしながら追いかけてくる。
私はくるりと向きを変え、また走り出した。
後ろから聞こえる足音。
あと少し。
あと少しで追いつかれる。
後ろからぎゅっと抱きつかれて、
私は勢いのまま芝生へ倒れ込んだ。
その隣にキーフリーも倒れ込み、
二人で顔を見合わせる。
私はくるっと振り返って、
キーフリーのほっぺを軽くつつく。
そう言って体を起こす。
この花畑は人も少なくて穴場。
おまけに風が心地いい。
私は頬を膨らませる。
するとキーフリーは少しだけ首を傾げて、
じっと私の顔を見つめた。
私はぱちぱちと瞬きをする。
そういえば、昔からよく言われていた。
私はキーフリーの顔を覗き込む。
透き通るような瞳。
自分の瞳と見比べると、
本当にそっくりだった。
心地よい風が二人の髪を揺らす。
キーフリーは空を見上げながら、
ぽつりと呟いた。
私は少し考えてから、にっと笑った。
その返事を聞いたキーフリーは、
とても嬉しそうに笑った。
二人で小指を絡める。
幼い指切り。
そのときの私は、
「 幼馴染とずっと一緒に遊べる 」
という意味で頷いただけだった。
けれどキーフリーは違った。
小さく結んだ約束を見つめながら、
誰にも聞こえないくらいの声で呟く。
キーフリーは慌てて首を振る。
私は笑いながらまた走り出した。
その後ろを追いかけるキーフリーの笑顔は、
あの日からずっと変わらないままだった。
あのねキーフリー。
実はあの時、
「 僕のお姫さまになってくれるといいな 」
はっきり聞こえてたんだよ。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。