秋だからだろうか。
スッキリした空気に哀愁漂う朝焼けが広がる空。
それを眺めるとなんだか心に穴が空いたみたいな、上手く言葉に出来ない感情が襲ってくる。
この気持ちはなんだろう。不思議な物だ。
ナガンねぇとは会った時に雑談できる程仲良くなった。
見慣れた光景。淀んだ空気。
いつも頼む変わりないメニュー。
いつも会う人。
いつも明るい人
いつもの会話
変わりない日常。
変わりない幸福。
変わりのない人達。
変わりない空気感。
前世はとてもつまらなかった。
人生ってただの反復作業だと思ってた。
でもそれは違った。
反復作業はあってる。
でもそこに楽しみがあるなら、
誰か話す人がいるのなら。
────Butterfly effect────
反復作業の内容は変えられる。
人生に、色が戻ってく。
モノクロだった景色に
華やかに、彩られていく。
赤、青、緑、、、
追求していけば何にだってなれる。
ぼやけた色で、少しずつ輪郭が見えてくる。
そして、世界は動き出す。誰かを置いていきながら。
それが人生ってやつだ
A.M. 9:00
────いや、誰。
A.M. 10:30
まーじでこいつ誰だ。
なんか普通に日常に溶け込んでるし。
珍しく言い返さない。こんなに素直だったか?
とても気まずい空気が流れた。
このなんとも言えない無言な時間。
面倒臭いようで真剣なような、言葉に出来ない。
まぁ、色々あり今カフェなんですけど!
なんなんだ、この人!
今オレンジジュース1杯で小一時間粘っている。
なんて話を切り出せば、、
知りたい。知りたいが、ここはなんて言えばいいんだ。
あとこの流れ。デジャブだ。
知らない人の前で気後れする。
今は自分が小さな存在のように感じる。
ん?そういやこんな独特な喋り方する奴に見覚えが。
ケラケラと笑ってる神様は、確かにあの美人顔の人と顔が一致していた。
ほんとにこんなのが神で天界は大丈夫なのだろうか
軽快なベルの音がなり、ドアを開ける。
外は快晴だが少し肌寒い。
P.M. 3:00
久しぶりの感覚でちょっと緊張する。
トラウマが発動しないか心配だ。
ギシッと音を立てて扉が開く。
あの嫌な空気は無かった。
だが薄暗い廊下は健在だった。
ちょっと嫌だなとか思ってたら、
そう顔を顰めながら鼻をつまみ、手で空気をかき混ぜるかのようにヒラヒラと仰ぐ。
そんな光景がちょっと面白い。
硬かった空気が柔らかくなっていく。
そうだ、この家には未練も糞も何も無い!
だから気持ちを切り替えてニュースタートだ!
そう言って靴を素直に脱いだ。
そう言ってニッと笑みを浮かべた。
そう言って見せてきたのは煤けたケースに入ったバイオリン。
バイオリンなんて弾いた事ないんだが。
にしてもなんでバイオリン、。
両親のどっちかの趣味だったのだろうか。
まぁ形見というか思い出というか、ふとした時に兄弟達の事を思い出せるように傍には置いておこう。
せっかくだから弾いてみるのもいいかも。
バイオリンの練習は騒音酷いからな。
会長か副会長に掛け合わせないと。
まぁあんなボロ屋敷に使える物は無く、謎にバイオリンをGETして私の荷物整理は終わった。
終始灯がガラクタばっかり見せてきて想定以上に時間がかかってしまった。
許せぬ。
そう言いバイオリンを抱え車に乗る。
今から公安に戻る。
現在時刻P.M. 5:10
このまま今日は戻って、会長室に顔を見せて、夕飯食って、ナガンねえと勉強して寝るか。
副会長にバイオリンの練習の件言わなきゃな。
流石に室内は仕事してる人に迷惑だろう。
どうすりゃいいんだ。
最悪弾けなくとも手元に置いておこう。
少なくとも絶対売ったりはしない。
このままずっと手元に置いて、兄弟たちのことを思い浮かべる。
これはあの家から持って帰った唯一の品なのだから。
意外とこの人子供っぽいとこあるんだよな、、
アマテラスって日本神話において最高神じゃなかったっけ?
ギィィと少し音が鳴った
今、公安の食堂でご飯を食べてます。
この後ランニング行くらしいから戻さないか心配。
身体は若いから代謝は良いがやっぱり油っこい物食べると心配してしまう。
この神様、以前は人間に興味を持ってなかったらしい。
だからあんな仕事ができるのかな、とか思いつつも顔いいのにもったいないなとも思ってしまう。
やっぱり神の思う事は一生理解できないのかもしれない。
10月2日
現在時刻5:55
5が3個揃っててなんかいい事ありそう。
コイツともまあまあ仲良くなれた。
さて、明日はナガンねぇの文化祭!
明日はちゃんと髪結んで、お洒落して文化祭行くんだ!
その為にもコイツに手伝ってもらうつもりだ。
最近コイツと暮らしてて思った事が1つ。
私にだけなんでこんな素直なん。
暇つぶしのバイオリンレッスンもなんだか慣れてきた。
そういい音を出してみる。
この曲特有ののびのびとした音にスッキリとした雰囲気。
それを再現のに時間をかけろと言われたが、流石神。
才能はあるが説明が抽象的すぎてあまり伝わらない。
だがここまで弾けるようになったのもコイツのお陰だろう。
感謝だね。
コイツが何故かよく分からないが背中を押して屋上の扉を開けて非常階段まで押し込んできた。
私がそう言うと、コイツはニシシと歯を見せて笑った。
こんなに純粋な人はいないんじゃないだろうか?
、人じゃなくて神か。
とまぁ、コイツなりの不器用なお気遣いに心が和みながらも屋上を離れた。
明日!絶対楽しむぞ!
屋上から見えた空は、あの日見たトワイライトの夕日と似ていたが、今度はしっかりと夕日が見れた。
ビルの間から漏れ出た光は灯の周りを包み込み、少し肌寒いながらも太陽の暖かみを感じれた。
秋の、遠くて寂しい空を見上げながら、私は私なりの今日を生きていく。
「明日もいい日になりますように」
そう願いながら屋上に繋がる扉を閉めた。
真っ赤な夕日が、どこまでも続いていた。
名前 天宮 灯
神だが下界に降りてきた。
無個性として登録。
オリキャラ地雷の人はここでブラウザバック。
オリキャラなのかは知りません。
本当はオリキャラ作る予定なんて無かったのに、、😭
本当にすみません。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。