そこで思い出した”私には記憶がなかった“
なにか、この人はなにか知ってるかもしれない。
そう想い、聞いてみることにした
気づいたら、五条さんが近くに来ていた。
アイマスクを外していて、私を六眼で探していたのが分かった。
五条さんは私の言葉を遮って、話し始めた。
意味がわからなかった、
多分、目の前の赤毛の男の人は私を知っている
いつになく真面目に言い放った五条さんに、少し息が詰まる
結局、そのまま私は店を出た。
五条さんが赤毛の男の人を睨んでいたことなんて気付かずに。
ーーーー中原中也視点
今日は4年前、俺が殺しちまッたあなたの命日。
俺の誕生日にお互い任務があって、その埋め合わせで合っていた日だッた。
あの日、あなたが俺にくれた帽子のチェーン。
元々つけてたのが汚れちまッて、新しいのが欲しいと、前話していたから、贈呈品に買ってくれたらしい。
到底あなたの給料では買える代物じゃァなかったが、貯金諸々をはたいて買ったようだッた。
あなたを殺したあと、その失態と事実に気づいてその場所から俺は走り去ったが、贈呈品として受け取っていたチェーンだけは残っていた。
俺が力を入れちまッたせいで壊れかけだったが、あなたの形見としてつけていた。
流石に日にちも経ち、そのチェーンが駄目になると、同じ店で同じものを買った。
今日もそのチェーンを買いに来ていたのだが…
その店の、そのチェーンの前で、あなたにそっくりな女を見た。
顔のパーツ、身長、体型、声、全部があの頃と殆ど変わってねェ。
思わず名前を呟くと、それすらも当たッているようだった。
あなたが俺に何かを言おうとしたが、五条と呼ばれた男が割り込んできた。
かなり親しい様子で、あなたを大事そうに見つめてた。
最後に、男が俺を睨んで出て行ッた。
どういうことなんだ…?
全くわけがわかんねェ。
もし、あの女が本当にあなたなら、
そうだといいな、なんて思ッて、俺はまた任務に付いた。
『捨てられた元ポートマフィア』
中也の口調違ったらすいません…
なんかあったら指摘していいです…()
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。