Side鴇崎
え?
ちょっと待ってください。
なんでバレてんの?
まず小川さんはどう思ってらっしゃるの?
…ぜんっぜんわからん。なんだこの人感情ないんか。
ダメだ、問題はそこじゃねぇ。
この難関をどう攻略するかだ…。
パターン①
すっとぼける
…無理だな。確実にボロが出る。
パターン②
もう素の反応で行く
…これも無理だな。キョドりすぎてその場で切腹する。
パターン③
認めつつ、その場のノリ的な雰囲気に持っていく。
…これがいいんじゃないか。自然だし、まず小川さんが恋愛的に好きかどうか聞いてくる訳じゃないしね。
よし、頑張る。
(現実時間約0.2秒)
あぁ~タツごめんね。
大丈夫。トキちゃんやるときゃやるから。
安心して見てて!
…なんか小川さん不満げな顔してるんですけど。
やめて。ハムスターみたいな顔してこっち見ないでクソ可愛い。
あの、胡乱な目しないでください。
嘘とか本当はつきたくないんすよ。
やっちゃいけないことしてる気分になってきた。
!?!?!?!?
今小川さんなんつった?
俺も好きだよ?
おれもすきだよ?
オレモスキダヨ?
え、ちょっとやばい。破壊力がえげつない。
さっきまで必死に取り繕ってた努力が無駄になっちゃう。
どうしようどうしようどうしよう
恋愛的な意味じゃない…よね?さすがに違うよね?
今小川さんは夕食を取りに行ってるからこのテーブルにはいない。
帰ってくるまでには顔面どうにかしないとゆで蛸になるぞ。
皆褒めて。
たぶん俺この時地球上で一番早くご飯食べたと思う。
残りのご飯が少なかったってのもあるけど
小川さんが席に着いてから1、2分で食べ終わったぞ。
食器を片付けて食堂を出ようとすれば、
今まさに食堂に入ろうとする藍たちがいた。
完全に八つ当たりだけど、ちょっと呑気すぎるこの人たちにイラっときてしまった。
心配してくださってるんだろうけど、それどころじゃないっすわ。
あれ、もしかしてこいつらグルでやってたとかある…?
あ、もうダメだ。藍の顔が半笑いに見えてきた。
こっちは必死こいてごまかしたってのに…
…クッソ、走り出したはいいものの部屋入ったら小川さんと同部屋だぜ
気まじぃ泣
あーもう俺は一体どこへ向かえばいいんだろう
(小洒落たバンドマン風)
Side藍
トキさんに一生呪う宣言されてから食堂に入った。
そこにはぶっすーと不貞腐れた小川さんが。
超絶不機嫌やん。
これは……
トキさんが上手くごまかした感じか?
マジかトキさんそんなことできんのかよ。
各自ご飯を取って席に着く。
その間も小川さんの不満は止まらない。
だってトキさんのことだから
顔真っ赤っかにして付き合うオチだと思ってたんです…
正直それが見たかった。
トキさんが小川さんの尻に敷かれるところとか見たい。
需要しかない。
甲斐くんに詰め寄る小川さん。
圧がすごい。
も~この人怖いって。
俺に矛先向いちゃったよ。
ぶつぶつと独り言をつぶやく。
目が怖いんよ。
視線で人殺せるって。
わぁ~お大胆。
今この場にトキさん以外の人全員いるから実質公開告白やん。
…まぁトキさんも同じようなことしとるか。
全員下を向いて「はい…」
と答えるしかなかった。
トキさん、あなたヤバい人に惚れたんじゃないですか?













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。