あの後国木田さんに引き継ぎして、私は探偵社に行った。
その日は特に進展はなく、ただただ時間だけがすぎていった。
____その翌日。
洋食かぁ、ふわふわオムライスにジューシーハンバーグ……どれも捨て難い!
志賀さんは笑って約束な!と言った。
そのあとは、国木田さんに応接室に連れられ事情聴取を行っていった。
有毒植物を持ち込んできたモブが所属している会社は、表向きはホワイト企業で、志賀さんが手厚くサポートをもらっていたらしい。
何かの逆恨みで志賀さんを殺そうとした?
知られてはいけないことでも知られたとか?
洋食屋を営んでいる、って言ってたな。
志賀さんは____支店も出してると言っていた。
今回の支店で3店舗目だ。
最近雑誌にも取り上げられるほどの有名な店____売り上げが伸びたから?いや、伸びるほうがいいだろ。
谷崎は資料を私に渡してくれた。
確認すると、確かに____ん?
____なのに、今回は男の志賀さんを殺そうとした。
何故?
指輪が新しかった。
身長は150㎝後半。全員20代か。
髪は長めで、色白の女性ばかりだ。
でも、殆どは独身____
何から手を出すべきかわからなくなるような手掛かりの散らばりようだから、一旦整理しないと……
太宰さん、まだ来てないな……
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!