💎side
強引に唇を奪われる。
病室で、
いふくんを横目に、別の人とキスをする。
僕も、
いふくんも、
こんな気持ちのせいで浮気をしていたのだろう。
自分を大切にしてくれる人が他にもいる安心感。
いけない事をしているという胸の高鳴り。
きっと、アニキも同じだろう。
強引に唇を当て合うだけのキスが次第に深いものに変わっていく。
熱い吐息が漏れ、いとも簡単に押し倒される。
浮気する君、
許した僕。
だから、
君が目を覚ます前に、
幸せになってもいいですか。
なーんてね
アニキを突き放す。
足早に病院を出た。
息が上がる。
怖い、怖い、殺される。
このままあの人に襲われてしまうような気がした。
急いで公衆電話に入る。
慣れた手つきで彼の電話番号を打ちそうになるが、すぐに思い直す。
1,1,0
次の日、恐る恐る病院に行ったが、
あの人はもちろんお見舞いに来ていなかった。
本来なら、襲われてはいないので警察が何も対応してくれない場合もあるらしい。
けど、あの人には前科があったらしく、未遂でもすぐに刑務所行きとなったらしい。
いふくんの横に座る。
今にも起き上がって、僕のことを馬鹿にしてきそうなのに君は動かない。
今、君は何を思っていますか?
まだ、僕のことを想ってくれていますか?
💙side
アニキとほとけのキスをする音が聞こえる。
熱い吐息の音。
今すぐにでも取り返したかったのに、
体は動かへん。
だけどもう、しょうがないことなのかもしれない。
俺は
散々、浮気したから。
散々、人を傷つけたから。
なのに、
アニキの誘いをきっぱりと君は断る。
君が浮気したって、僕は許すのに。
君に、
ほとけに、幸せになって欲しいのに。
りうらとアニキは刑務所行き。
初兎とないこはもうこの世にはいない。
俺は動けない。
話せない。
今までの選択、全部間違ってた。
今だってこんな俺がほとけと居ていいのか分からない。
だけど、
俺は今
『浮気する君、許す僕。』完












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。