東雲彰人side
くだらねぇとおもった
草薙が同性愛者であることに、何の非があるのかわからなかった
だから、オレは杏と一緒に草薙に気持ちを伝えに行ったんだ
本当に、それだけの理由だった
それなのに…
あの笑顔が
泣きながら笑っていたあの笑顔が
脳裏に刻みついて離れない
当たり前だ、あいつの恋愛対象にオレはいない
それがわかってから好きになるなんて、本当に馬鹿みてえだ
そう言って、杏が切り出す
教室がざわめきだす
吐き気がする
お前らなんか、そんな目で見てるわけねえだろ
草薙にだって、選ぶ権利はある
悪くなりかけてた空気は、杏が一蹴した
杏は、こういう空気を、良い空気に変える
オレにはできないことだし、それを無意識にやってるから、本当にすごいと思っている
絶対に伝えねえけど
そういってみんなが帰りだす
強いな、本当に
草薙は前進をするために必死に頑張っている
オレは…
オレは、どうなんだ?







![# 攻略対象より悪役に惚れました . [ 冬司ver ]](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/463Ienje96SMnaxqeg7tvIaFh9p1/cover/01K566339R5TNCGP01WCWNSK9G_resized_240x340.jpg)




編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!