草薙寧々side
東雲君は、そう言った
わたしの質問には、答えてくれない
笑ってくれと、そう愚直な願いを伝えてくれた東雲くんの声は
弱弱しく震えていて
まるで、何かに恐怖していた
笑ってくれ?
それは、こっちのセリフだ
神様、お願いです
人生でたった一度、貴方にお願いをします
わたしをこんな境遇にして、神様なんていないって信じてきました
いるなら、性格は最悪だって、ずっと思ってきました
それでも、今だけは、貴方を信じさせてください
貴方に、縋らせてください
…どうか、東雲くんを
誰よりも、人の気持ちに共感出来て
誰よりも、人のために行動することができて
誰よりも、優しくてまっすぐな彼を
…わたしから解放してください
きっとこのままじゃ、東雲くんはわたしのために時間を使ってしまう
わたしのために、行動してしまう
東雲くんの大切な時間を、わたしが奪ってしまう
だから、東雲くんが笑う方法は
わたしから離れること以上にないから
だって…
わたしは…
君を守りたい
ああ、最悪だ
なんで今なんだろう
なんで
今、君を好きになってしまったのだろうか












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。