第4話

第四話 信念
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2024/05/05 02:38 更新
草薙寧々side
草薙寧々
どうしたの、東雲くん?
東雲彰人
急に電話かけて悪い
東雲君は、そう言った
わたしの質問には、答えてくれない
東雲彰人
…みんな、理解してくれそうだったぞ
草薙寧々
…うん、嬉しいことだね
東雲彰人
…なぁ、もし、クラス全員が、お前に理解を示して
東雲彰人
いつも通り過ごそう、学校に来てって言われたらどうする?
草薙寧々
…どうするの、かな…
草薙寧々
やっぱり、あの時の視線も、空気も、態度も
草薙寧々
忘れられないし、許せないし…
草薙寧々
…怖い
東雲彰人
…そうだよね、悪いこと聞いた
草薙寧々
でも、行ってみたいとも、思ってる
草薙寧々
本当の事、話して、理解してもらって、クラスのみんなが本当の友達になれたら
草薙寧々
世界は、変わるのかな
東雲彰人
…変わらなくても、変えて見せる
東雲彰人
草薙が、そのことで苦しむなら、何度だって幸せな思い出で上書きしてやる
東雲彰人
クラスの奴がまだ理解しないなら、どんな方法を使っても、何とかして見せる!
東雲彰人
…だから、草薙
東雲彰人
…笑ってくれ
草薙寧々
…っ!
笑ってくれと、そう愚直な願いを伝えてくれた東雲くんの声は
弱弱しく震えていて
まるで、何かに恐怖していた
笑ってくれ?
それは、こっちのセリフだ
神様、お願いです
人生でたった一度、貴方にお願いをします
わたしをこんな境遇にして、神様なんていないって信じてきました
いるなら、性格は最悪だって、ずっと思ってきました
それでも、今だけは、貴方を信じさせてください
貴方に、縋らせてください
…どうか、東雲くんを
誰よりも、人の気持ちに共感出来て
誰よりも、人のために行動することができて
誰よりも、優しくてまっすぐな彼を
…わたしから解放してください
きっとこのままじゃ、東雲くんはわたしのために時間を使ってしまう
わたしのために、行動してしまう
東雲くんの大切な時間を、わたしが奪ってしまう
だから、東雲くんが笑う方法は
わたしから離れること以上にないから
だって…
草薙寧々
…ごめん、東雲くん
草薙寧々
もう、大丈夫
草薙寧々
二人が頑張ってくれただけで、嬉しいよ
わたしは…
草薙寧々
…でも…
草薙寧々
ううん、だから
草薙寧々
これ以上、何もしなくていいよ
君を守りたい
ああ、最悪だ
なんで今なんだろう
なんで
今、君を好きになってしまったのだろうか

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