え?
ボクのアドバイスは、少し無責任だったけど
杏たちの助けになれたなら良かったな。
……優しいね、杏は。
そういうことしか考えられない自分が、大嫌いだ。
ーーーーーーーーーー
次の日、ボクは弟くんのことが気になって学校に来てみた。
けど、前まで休みがちだったのに急に来るようになったから
主に先輩たちにいじられるようになった。
だからまた屋上に来たんだけど……
……こんな格好なのがいけないのかな。
ボクらしくいるのは…良くないのかな。
……あーあ。
辛いなぁ。
苦しいなぁ。
ここから飛び降りちゃえば……楽になれるのかな?
はは……
もう、嫌だな。
こんなことしか考えられなくなっちゃった。
(ガチャ……)
その時、屋上のドアが開いた。
授業中なのに…
先生が見回りに来たとか?
え……なんで、
授業中に来るなんて…珍しい。
というか、屋上で会うの初めて。
しかも、弟くん……
すごく苦しそうな顔してる。
あれ、いつもの弟くんに戻った……?
ッ……
辛そう…
杏たちに関係あるのかな?
昨日言ってたイベントのこと?
次の瞬間、信じられない言葉が弟くんから出てきた。
あっははー……
バレてたのか。
ん?
『俺と似てた』……?
なら、弟くん"も"……
死のうとしてる?
……やっぱり。
もういいや。
隠さなくたって。
違う理由もあるのか。
ー東雲が抜けて嬉しいってさ。
……いや、大丈夫だよ。
今の話聞いてる限り、杏も、冬弥くんも。
それに話に出なかったこはねちゃんだって。
弟くんのこと大好きだ。
だから、弟くんが死んじゃったら…
みんな悲しむ。
それどころか、責任を感じて
弟くんの後を行ってしまうかもしれなかった。
弟くんは才能がある。
……みんなに想われる才能が。
ここからいなくなっちゃいけない存在だ。


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。