音のした方へ走る。
先程鳴った衝撃音、余り遠くは無かった筈だ。
此処からでも微かに音が聞こえて来る。
戦闘しているであろう音と人が言い争っている音。
" もし " の事を考えると冷や汗が止まらない。
早く現場に向かわなければ。
見たくない、見れない。
過去のトラウマが走馬灯の様にフラッシュバックする。
嗚呼、何故。
" 嫌な予感 " がこんなにも当たって仕舞うのか。
其処には、血だらけで瀕死の状態の黄色と橙色が居た。
二人共傷が深く、今直ぐに治療しないといけない状態。
そして其の隣には…
灰色の彼女等を数年以上苦しめた研究員。
何やら血が付着した凶器を握っている。
生き物とは思えない発言と思想。
仲間達を " モノ " 呼ばわりする。
其れだけで灰色の彼女を激昂させるのに十分だった。
灰色の彼女の圧で辺り一体が埋め尽くされる。
普通の人間でなければ、其れだけで此処に立ち止まる事すら不可能だろう。
其れでも研究員は負けじと繰り返す。
嗚呼、何処迄愚かなのだろうか。
灰色の彼女は臨戦態勢を取っている。
本気の彼女を敵に回したら…。
淡黄色の彼から発せられた声は淡々とした抑揚が無い。
其れは聞き慣れた声で、聞きたかった筈なのに何故か耳に届いて欲しくなかった。






![[参加型?]空の上で最後の遺言を、](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/fLidrLhRSUUik4ZkTr7M83BhU0V2/cover/01KCTXMWS5RZ2WT40YN9XJ0C3Y_resized_240x340.jpg)





編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!