無料スマホ夢小説ならプリ小説 byGMO

205
2019/12/13

第6話

序章💧君に聞いた物語*6(短め)
そして、その周囲に、
気づけば生き物のような微細ななにかが群がっていた。
あなた

……魚??

幾何学的な渦を描いてゆったりとうねるその群体は、
まるで魚の群れのように見えた。

彼女は落下しながら、
それをじっと見つめる。

雲の上の平原を、
無数の魚たちが泳いでいる__。
突然、指先になにかが触れた。
驚いて手を見る。

やはり魚だ。

透明な体を持つ小さな魚たちが、
重さのある風のように指や髪をすり抜けている。

長いひれをなびかせているものや、
くらげのように丸いものや、
メダカのように細かなもの。
様々な姿形の魚たちは、
太陽の光を透かしてプリズムみたいに輝いている。

気づけば彼女は空の魚に囲まれている。
空の青と、雲の白と、さざめく緑と、七色に輝く魚たち。
彼女がいるのは、
聞いたことも想像したこともない不思議で美しい空の世界だった。

やがて彼女の足元を覆っていた雨雲がほどけるように消えていき、
眼下にはどこまでも広がる東京の街並みが姿を現した。

ビルの一つひとつ、車の一台いちだい、窓ガラスの一枚いちまいが、
太陽をの光を浴びて誇らしげに光っている。

雨に洗われて生まれ変わったようなその街に、
彼女は風に乗ってゆっくりと落ちてゆく。

しだいに、不思議な一体感が全身に満ちてくる。
自分がこの世界の一部であることが、
ことば以前の感覚として彼女にはただ分かる。
自分は風であり水であり、青であり白であり、心であり願いである。

奇妙な幸せと切なさが全身に広がっていく。

そしてゆっくりと、


深く布団に沈みこむように意識が消えていく___。