第131話

* 131.
37,221
2020/05/02 13:44
〜 亮太 side 〜



高校に入学して、教室でもグループが決まり始めた頃。


ガラッと教室のドアが空いて、

先生と見知らぬ男が入ってくる。


もちろん周りもざわつく。
先生
先生
静かにー、関西からの転校生だ。
山口、軽く自己紹介出来るか、
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
名前言うだけやろ〜?
山口雅です、よろしくお願いしまーす♪

「 イケメン 」「 え、可愛い系だよ 」 「 ノリ良さそう! 」

「 亮太くんもいるしうちらのクラス当たりだね! 」


女子らが騒いでる。

山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
席は「 や 」やからやっぱ1番後〜?
先生
先生
あぁ、そうだな。
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
おけ〜、

俺の横を通り過ぎて後ろの席に座る。
先生
先生
山口は教科書とか色々あるから今日放課後職員室来る事。皆仲良くしてやれよ〜。以上。

先生が教室から出て行く。

山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
なぁなぁ、
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
ッ…
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
なぁ、

肩をぽんぽんと叩かれる。

俺に話しかけてたのか、
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
ん?
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
名前なんて言うん、?
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井亮太、
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
亮太か、よろしくなぁ。
お前モテそうやなぁ、
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
いや、全然。
女子1
女子1
山口く〜ん、私○○。関西って大阪?
女子2
女子2
私○○!関西弁で喋ってみてよー

山口の周りに女子が集まりだし、俺も体を前に向ける。

山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
せやで、大阪ー、
えぇ、俺普通に話してても関西弁出るやろ?

コミュ力高い…と言うより人を寄せやすいのか。


机の中から教科書を出し、授業の準備をする。


チャイムが鳴ると女子が席に戻っていく。

こいつの周りに誰もいなくなったのを見て言う。
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
お前もモテるだろ。
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
え、ほんま?男から見ても俺かっこええ?やったぁ♪ ぁ、教科書見せてや俺まだ持ってないねん。
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
後ろの席の奴にどうやッ((
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
よっと…、え?あかんかった?
あ、ごめんなぁ。

俺の隣に机を持ってきて、隣の席の女子に謝ってる。
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
ふはッ、別にいいんじゃね?
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
ぁ、やっと笑った(ニコッ)

と、席に座る。


それがこいつ。

山口雅との出会いだった。


こいつが転校して来てから、

緊張でぴりぴりしていたクラスが明るくなって、

さらに、先生問わず誰にでも懐くこいつを皆が

犬みたいだとポチと呼ぶようになった。


ただ席が近かっただけの俺の隣にずっといるから

いつの間にか俺も心許してて…



ー*ーー*ーー*ーー*ーー*ーー*ーー*ーー*ーー*ー



ある時の放課後、

松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
悪い、恋愛とか今は考えてないんだ。
女子1
女子1
そ、そっか…グスッ
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
もぉ、あいつどこまで飛ばすねん、

と、体操服姿で、部活の途中なんだろう。

部員がテニスボールをどこかに飛ばしたのか、

ポチが拾いにグラウンド倉庫の裏まで走ってきた。

山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
あ、なんか、お取り込み中やった?
女子1
女子1
ッ…

女子の前に立って、ポチから隠す。
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
あぁ…ボールか?こっちには来てないぞ
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
そっか、なんかごめんな
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
いや、いいよ。
ポチがグラウンドに戻って行く。
女子1
女子1
ぁ…ありがと、グスッ
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
いや、全然。じゃ、

俺も更衣室で弓道着に着替え、部活しに行った。




ーー
ーーー

山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
ッ…なに、

部活終わり、たまたま更衣室でポチと合った。

山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
さっきのってさ、告白とかやった?
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
別に。ポチには関係ないだろ、

わざわざ俺の隣に鞄を持ってきて、着替え出す。

山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
やっぱモテんねやな〜、
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
ッ…お前も告られたって聞くぞ、
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
うん、なんかめっちゃ嬉しいよなぁ(ニコッ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
ッ…まぁ、
着替え終わる。

山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
山口 雅 (ヤマグチ ミヤビ)
一緒に帰ろうや
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
松井 亮太 (マツイ リョウタ)
あぁ、

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