ただいま‥？です

‥まあ はい ﾆｺ
トラゾーさんとお話できました

はい‥ お世話になる身としてはこれくらいしないと
沢山は入っていませんけど

ありがとうございます‥ 
大切な仲間のものだったんですよ

‥はい その子はもう‥この世にはいません ﾆｺ
まだ未来があったのに

いえいえ‥ 喜んでいると思いますよ
このがまくちがその子にとって宝物でしたから

‥？ どう言うことでしょうか

‥えっ あの‥

‥！

確かに‥ 私‥貴方達と居るの楽しくて
少し人間が怖くなってしまっていて ﾆｺ

何だろう‥ 私幸せになってはいけないのに‥
私がした事は一生‥許されないことなのに

‥！

少しだけお話しても宜しいですか‥
いつも心の中がドロドロとしたものでいっぱいで

‥私には貴方達みたいな仲間であり親友であり家族のような人がいました

もうお気づきかも知れませんが私はとある研究所の実験体です
なので‥1号と呼ばれていたんだと思います

ある日数多くいる実験体の中で仲間が逃げ出しました
その仲間達は戻ってくる事は無かったので幸せに暮らしていると思います

いいえ 至って普通の実験体だったそうです
だから私達‥残された仲間は希望が持てたんです

その頃‥力のない者は期待のある実験体の食事になっていました。
いわば弱肉強食というものですね 

その食事の対象に私の仲間がなってしまったんです

2号です‥ 私と同じように名前なんてもらえなかったんです ﾆｺ

私達は‥幸せを求めて研究所を逃げ出したんです
今思えば2号だけ逃げていたらあの子は今日も生きていたのかも知れない

私は実験により力をつけたトップクラスの実験体だったんです
その条件としては 心が壊れている 人間として扱われたことがない 我慢強い 
そして何しろ人間としての余計な感情がない などです

私には全て当てはまっていたんでしょうね 私は最低な人間ですから  ﾆｺ
けど2号は人として大切な心がしっかりあった けれど研究者にとっては
その心が邪魔だった‥ 操り人形だって感情があったら意味がないでしょう

そんな事あいつらには通用しないんです だから2号は食事の対象に選ばれたんです
研究所は私が逃げ出したことで血眼になって探しました‥
あと少しの所で私達は見つかりました‥ あっという間のことでしたよ

はい‥ 私を庇って死にました 一瞬のことでしたよ
目の前で食べられていく仲間をみたはずなのに
2号は‥叫びも怒りもしなかった‥ ただ泣きながら笑って”またね”と

もしそこで私があの子の背中を押し‥私だけ残り 逃げさせていたら
追っ手に気付き攻撃できていたら 命がけで守れていたら
なんて‥私の心は後悔でいっぱいです あの子の方が多くの人を幸せにできていた

あの子には義理の家族が居たんです‥ 私が守ると決めたのに守れなかった‥
遺体を持って帰ることも出来なかった 私にはまた地獄が待っていた
仕方のない事です‥義理の親に罵声を浴び続けられました

「あの子の方があんたよりよっぽど価値があったのに」
「あの子を返しやがれ このクズが」
「あんたに任せなきゃ良かった あんたが死んだらよかったのに」
「一生許さない 葬式にも墓参りにも絶対来るな」って ﾆｺ

私はただあの子と最後の別れが‥したかった 許してくれとは言わない
呪ってもいいから 殺してくれてもいいから 謝りたかった‥
約束を守れなくてごめんって 私があそこに残ったら良かった

だから私は貴方達が羨ましい‥ 幸せそうに笑い合って 楽しんで
それは貴方達が優しいから 人間として大事な感情をしっかり持っているから

それは‥分かりません 私はあの子の真似をしているだけです‥
悲しい‥悔しい‥嬉しい‥幸せ‥が分からない ﾆｺ

それは2号の言葉を思い出しているだけです
2号は大切な人と笑いあえるのが幸せ‥心が痛くなるのが悲しいと言っていました 
2号は夢をよく語っていました 私の力で人々を救いたい 苦しんでいる人を助けられる
優しい人になりたいって

私はそれを真似しているです 本当は今にでも死にたい‥
それが2号が言ったことなら‥ 私があの子の夢を奪ってしまったから
2号の意志を繋がなくては‥ それが私には理解できなくても

はい‥ 2号はあの研究者の人達にも同情していました
あの人達可哀想だね‥ 人を虐めないと心が休まらないのかな‥ 
何か悲しいことがあったのかな いつか救ってあげたいなって

沢山の人を苦しめておいて可哀想？そんなおかしな話はないです
けれどそれが2号の願いなら‥ 私の大切な仲間の願いなら
私にはその願いを叶えることしかできないから ﾆｺ