特に約束もしていないのに、2人は自然に同じタイミングで立ち上がる。
それが当たり前みたいに
廊下を並んで歩く
会話はほとんど無い。
でも沈黙が気まづいと思ったことは1度もなかった
ジョンウがふと思い出したように言う。
ハルトは前を見たまま答える。
ジョンウが笑う
その時、向こうからスタッフと話している女の子がジョンウに気づいた。
少し照れたように笑うジョンウ。
──その様子を、ハルトは黙って見ていた。
女の子が去っていく
数秒の沈黙。
ハルトが先に歩き出した
ジョンウが慌てて追いかける
いつもと同じ声
でも、歩くスピードだけ少し速かった
ジョンウは小さく首をかしげながら、その背中を追いかけた。
──この距離が変わるなんて、まだ思ってもいなかった














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!