はるてぃーさんが、消えた?
私が見た時はもう
はるてぃーさんは砂のように消えていった。
恐らくこの世界から消えたんでしょう。
それは私も理解していた。
気付かず、もう背中が小さくなっているうたさんの
後ろ姿が目に写った。
私は透明になって幽霊のように
空を走った。
俺がこんなにも急いでるのには理由があった。
俺は小さい頃から魔法使いだったって事は
親から知らされていなかった。
久しぶりに泣いた。
そして、走りながら泣いているせいかすこし肌寒かった。
そろもんのことで頭がいっぱいになり、
はるてぃーとじおるの事をすっかり忘れていた。
後ろを振り返れば2人はもう居なかった。
この世界では鏡のようになっている。
あの3人はずっと鏡の世界の中に閉じ込められている。
あすたはって?
数分前…
俺があの変な機械を押した時…
ピッ
え、あすたが消えた?
そろもんはよくわかっていないが、こんな感じで
あすたは現実へと無理やり引き込まれた。
ってなったら、アイツら三人もいけんじゃね?
俺はそう思い、またボタンを押した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。