翌日____
ジリリリリ_ ジリリリリ_
不快な音で目が覚める。
使い古した目覚まし時計は、壊れかけているのか
錆びた鉄の音がして、穏やかな気持ちにはなれない。
ベッドから飛び起き、伸びをしながら
部屋を出る。今日も野薔薇たちがいるかも。
ここ1ヶ月、野薔薇が料理にハマり
真希と私に振る舞ってくれているのだ。
普段、朝食を摂らない私にとっては、
ありがたいことだ。
少しすると、共有スペースである部屋が見えてきた。
寮のある学校で例えるなら食堂__そんな場所で
今日も胃に食べ物をいれる。
エプロンに身を包み、機嫌がいいのか
鼻歌混じりにコンロの前に立つ野薔薇。
将来は、いいお嫁さんになる…のかな?
五条の愚痴を言い合っていると、
コトッ_と、目の前のテーブルに皿が置かれる。
目線を上げると、満面の笑みの野薔薇が。
腕を組み、遠くを見据えて「ふん!」と
ドヤって見せる野薔薇。
その様子が可笑しくて、真希と笑う。
野薔薇も椅子に座ったので、
3人で手を合わせて、早速いただく。
表面がツルッ_と輝く目玉焼きを割ると
トロ~_と黄味がとろけながら出てくる。
それと口の中に運び、米を食べると
口の中が幸福に満ち溢れる。
「美味しい」と、素直にそう思う。
2人に「邪魔」、「うるさい」と
言われていながらヘラヘラしているこの男。
最強呪術師の“五条悟”が、
私に何か言いに来たようだった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。