第12話

17年分の思いを指輪に込めて。
20
2023/03/10 08:09
それから時は過ぎ、7年後
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
美園!
美里美園
美里美園
ゴホッ。ゴホッ。風邪みたいだから、今キスするとうつりますよ
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
じっとしてろ、私は風邪ひかないから
美里美園
美里美園
ちょっと!
視点→深雪
私は風邪気味の美園にキスをした。
美里美園
美里美園
えっ?
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
どうした?
美里美園
美里美園
嘘?治った?
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
は?
美里美園
美里美園
最近調子悪いと思ったら、私に異変が起きてるのかも
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
能力が関係するのか?
美里美園
美里美園
多分。
美里美園
美里美園
とにかく何かがおかしいですよ
その後。
視点→美園
美里美園
美里美園
ウッウ
美過去
美過去
お母さん!
美里美園
美里美園
大丈夫よ大丈夫だから。
その日は頭が痛かった。
それから、私は体調不良が多かった。
美里美園
美里美園
っ能力が上手く機能しない。
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
美園?おい!
美里美園
美里美園
うっ深雪先輩
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
大丈夫か?
美里美園
美里美園
。。。
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
そうだ
と言って深雪先輩はキスをしてきた。
美里美園
美里美園
っまた治った
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
やっぱりそうなのか?
美里美園
美里美園
そうみたいね。
美里美園
美里美園
でも長くは続かないと思うの。
私は察してしまった。人生の終わりの近づきを
私はある日、吹雪ちゃんの家を訪ねた。
雪乃ヶ丘吹雪
雪乃ヶ丘吹雪
美園先生?
美里美園
美里美園
吹雪ちゃん、お願いがあるの
雪乃ヶ丘吹雪
雪乃ヶ丘吹雪
何ですか?
美里美園
美里美園
私ね、最近能力が上手く機能しなくなって、体調もよくないの。
雪乃ヶ丘吹雪
雪乃ヶ丘吹雪
大丈夫ですか?
美里美園
美里美園
ううん。だから、余命を正直に見てほしいの。
雪乃ヶ丘吹雪
雪乃ヶ丘吹雪
そんなのできるわけ
美里美園
美里美園
お願い!
雪乃ヶ丘吹雪
雪乃ヶ丘吹雪
わかりました。でも私から言うのは悲しいので、私の過去を見て、察してください。
美里美園
美里美園
わかったわ。
吹雪ちゃんの過去は、余命、あと6ヶ月ほどだと言っていた。
それから、私は死ぬ準備をした。
遺書を書き、荷物を整理した。
美過去
美過去
お母さん!
そう聞く度心が痛かった。
美里光太
美里光太
美園、
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
美園!
皆が名前を呼んでくれて、心配してくれる。それが、すごく辛い。
雪乃ヶ丘吹雪
雪乃ヶ丘吹雪
美園先生、
美里美園
美里美園
吹雪ちゃん!
雪乃ヶ丘吹雪
雪乃ヶ丘吹雪
死なない方法は無いんですか?
美里美園
美里美園
。。。ないよ。もういいの
そういって私はもう余命1ヶ月
美里美園
美里美園
深雪先輩
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
話って何だ?
美里美園
美里美園
別れてください!
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
嫌だ。
美里美園
美里美園
私は、もう死ぬから、その時、お別れ、じゃ辛いから、今別れて
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
そんなのってないだろ
美里美園
美里美園
そうじゃないと、後悔しちゃう。私なんかより、もっといい人に愛されてほしい。私の奪った17年よりもっと長く深く愛されてね。
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
そんなことできるわけ
と言って、深雪は私の口をふさいだ。
美里美園
美里美園
んっ
美里美園
美里美園
もうこれじゃどうにもならないの。
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
そうじゃなくて、最後に美園の唇についた唇は私であってほしいなって
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
今夜、最後に、体を重ねていいか?
美里美園
美里美園
はい。もちろん。これで終わりだから。
と。私は言って、最後に深雪先輩の感触を味わった。
深雪先輩は私の目からこぼれ落ちる涙をすべて乾かしてくれた。
そして、夜が明けた。
美里美園
美里美園
私、深雪先輩と結婚してたら、もっと長く幸せに生きてたのかな。
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
私も美園と生きていたかった。
美里美園
美里美園
でももう、お別れするって決めてるから。
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
じゃあ、最後のお願い聞いてくれないか?
美里美園
美里美園
いいですよ。
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
指輪、交換してくれないか。
美里美園
美里美園
いいですよ。買いにいきましょう。
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
ああ、
そして、私達は指輪を買った。
美里美園
美里美園
この指輪、死んだら、一緒に焼いてもらえないかな?
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
いいぞ。
美里美園
美里美園
ありがとう。
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
ああ、ありがとな
深雪先輩の目から涙がこぼれた。
美里美園
美里美園
ほんとはこんなの嫌です。でも、深雪先輩、幸せになってね。
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
お前もな
美里美園
美里美園
ありがとうございました。
雪乃ヶ丘深雪
雪乃ヶ丘深雪
ありがとう
美里美園
美里美園
さよなら。
私は上手く笑えなくて急いで歩いた。
思い残すことはまだあった。もっと深雪先輩の側に居たかった。もっと触れたかった。でも、死んだ時がお別れじゃないように、深雪先輩が私以外の人を愛せるように、愛されるように、ちゃんとお別れをした。
私はこれで終わりだけど深雪先輩はここが終わりじゃない。まだ人生は半分以上残っているはずである。だから、最後が私であってほしくない。
深雪先輩が私以外の人と幸せになるのは悲しいけど、悔しいけど。でも、同時に好きな人の幸せは私の幸せだから、きっと私は後悔していない。
きっと。これも運命だから、

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