「何の用、って、マイハニーに会いに来ただけじゃん?」
あはは、とエルバが笑う。
「だからその呼び方、何とかならないのか」
「オレが出会った中でいちばん強いからねぇ、
それとも、“最速のウィッチ”さん、って呼んだ方がいい?」
エルバが挑発的に目を細めた。
シルラの肩がピクリと少し震えた。
これは、とノアは思う。
「黙れ」
限りなく低い声で言ってシルラがエルバを睨んだ。
ノアにはわかる、すごくブチ切れた時の声だ。
「ダメだったぁ?」
けらけらとエルバが笑った。
「お前より速くなくては意味がないのに、そんなもの、意味なかろうに」
2人の会話を聞きながら、呪いを広げた———、最も殺したい相手を前にして、ノアは殺意よりも何よりも、すごい、と思った。
だって、こんなに喋りながら、2人の周りでは、
一歩違えばこの山ごと破壊できそうな魔力の塊がぶつかっては弾けているのだ。
でも、それでも、やっぱり、両親を、シーナを、村を、殺したこの人を、殺したい。
「ねぇ」
不意にエルバが聞いた。
「あ?」
「あの子、誰?ちょこまかと、邪魔なんだけど」
割と魔力こもってるし、とエルバがノアの方を指さした。
「あぁ、わたしの弟子だ」
シルラがそう言いながらノアにも撃ったことのない
火力の攻撃魔法を放った。
「へぇ、気に入った」
言いながらシルラの攻撃魔法をエルバが軽く躱した。
「あ、そうだ、マイハニー。今度は、逃げないでね」
エルバが呪いをシルラに放ちながら囁いた。
逃げないでね———それを聞いた時、シルラの胸に残るわだかまりが、ふっと意識の俎上に乗った。
(そうだ。わたしは———シルラ・ベルヴァルムは、どうしようもなく、臆病者だから、あの時、逃げたんだ)
あとシルラさんがぶちぎれたときというのは
13話後かな?にノアくんが
シルラさんって最速のウィッチさんなんですか?
と聞いた時です
二度と聞くな
と言われました
たぶん











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。