2年前
TEN BLANKが結成されて
一年が過ぎた頃
私は…ある日突然音楽の音が聞こえなくなってしまった
自分がドラムを叩いている音、藤谷の声
坂本のキーボードの音
高岡のベースの音…
最初は疲れからだと思っていた
でも練習にのめり込めばのめり込む程
音は聞こえなくなっていった
とうとう2人に気づかれてしまった
それもそのはずだ
音が聞こえないのに
みんなの音楽の音と合っているわけない
私は2人に打ち明けた
音が聞こえていないことを…
今まで感覚でみんなに合わせていたということを…
2人は不思議がっていた
2人の進めで私は病院へ行った
そして診断された結果は
「聴神経腫瘍」という病名だった
腫瘍が大きくなるにつれて
音が聞こえにくくなったり耳鳴り
目眩、顔面麻痺…等引き起こしてしまうそうだ
私は絶望に満ちていた
TEN BLANKとしてメジャーデビューするのが
夢だったのに…
2人はこの事を藤谷には秘密にして欲しいと伝えた
それから私達は
藤谷に大きい秘密を抱えながら
今日に至る
藤谷はやけに朱音ちゃんに
優しく接していた
今までやってきたのに…急に…なんで…
そんな不満を抱えながら…
野外フェスに
新人バンドとして出演が決まった
そして…そのフェスの大トリを務めることにもなった















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!