あれから1時間程
音合わせやらなんやらをやっていたが…
もう私はとっくに我慢の限界を超えていた
そんな時藤谷から
言われた一言で私は決心がついた
私は何も言わずにその場を立ち去った
どれぐらい走っただろう
深夜の海って…なんか不気味だけど
昔から好きだった
波の音が
何もかもを洗い流してくれる…そんな気がしたから
TENBLANK…抜けようかな…
そう言いかけて
言うのを辞めた
一至は何か悟ったかなのような顔をしていた
-藤谷ハウス-
朱音ちゃん、朱音ちゃんって
随分朱音ちゃんの事が気に入ったのね
やっぱりここには私の居場所なんか
最初から無かったのかもしれない
そんなこと考えてたら
気分が少し悪くなった
私には藤谷には秘密にしている事がある
それは…

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!