元気な声が聞こえてあたりを見回すと、そこには変身前の姿のツムギちゃんがいた。
私と賢人は、手をつないだままだった。
慌てて手を離す。
そんな私たちを、ツムギちゃんはくすくす笑いながら見つめていた。
……自分が設定したキャラクターに遊ばれるなんて。
私たちがいる場所は、どうやら公園だったようだ。
近くにあった案内図を見てみると、この公園は芝生エリア、野球場、テニス場、並木道、アスレチック……と、とにかく広い。
ついつい夢中になって話しているうちに、ツムギちゃんの背中が遠くなる。
私たちは慌ててツムギちゃんを追いかけた。
あちこちに花壇や街路樹、緑たっぷりの公園がある。
私が作ったツムギちゃんの世界は、現代よりも少しだけ未来にした。
今、私たちが住んでいる現実の世界は温暖化のニュースが頻繁に報道されていて、自然が減ってきている印象なんだけど……。
ツムギちゃんの世界では科学が発展して、少ない水や光でエネルギーが作られるようになった……ということにした。
まだまだ知識のない私なりの、世界が本当にこうなったらいいなっていう願いも込めて。
私の心の声を、ツムギちゃんが引き継ぐ。
上空に強い光が突然現れた。
光がおさまると、そこには巨大な異形の生き物。
子どもがクレヨンで書き殴った絵を繋げたような姿で、空中を漂っている。
あの敵が狙う生命力は、自然そのもの。
自然が豊かな場所が狙われる。
彼らは、自然物をそのままエネルギー化する技術を持っているから。
その瞬間、私たちの前に異形の物が現れた時とは異なる、あたたかい光が現れた。
光がおさまった場所に立っていたのは……。
2人の魔法少女は、空高く飛び立っていく。
ツムギちゃんは、喫茶店の前で立ち止まった。
だんだんと、視界が白くぼやけてくる。
そろそろ時間切れだ。
私たちは最後にお互い握手を交わし……。
私と賢人はもう一度、手をしっかりとつないだ。
きっと大丈夫だろうけど……確実に、ふたり一緒に、私たちの世界へ帰るために。

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。